むちまろ

BLUE EYE SAMURAI/ブルーアイ・サムライのむちまろのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

フェミニズムと制作陣の侍像が矛盾したアニメ

アクションシーンが素晴らしいの他の方も言及しているとおりなのだが、侍が描きたいのであって日本の解像度は低いよくあるなんちゃって日本。
それは江戸時代にも関わらず坊主頭が道場にいたり将軍達の服装が公家のような装いだったり幕府が銃を1丁も所持してないなどあるがまぁそれはいいと思うし割り切れる。
問題なのはフェミニズムを取り入れたリベラル的な作品に対して制作陣が求めるの「こうあってほしい保守的な侍または日本」が衝突していること。問題のシーンは実質的なトップとなった将軍の妻が出した命だ。「鉄砲を全て破壊し西洋のモノには触れるな」
これを聞いた時には「いくらなんでもアホすぎだろ」と思った。何故ならついさっき銃武装をした反乱軍に幕府軍は対抗手段がなく蹂躙されたばかりだからだ。
幕末の幕府ですら装備の刷新を進めていたのにこのアニメではその逆をいくのである。それをまるで強い女性がリーダーシップを発揮して正しい行いを推進するかのように描くのでより滑稽なのだ。制作陣の「侍とは刀と槍で戦う戦士!銃など無粋!」という理想像が常識的な判断をトップにさせることを阻害してしまっている。
制作陣が江戸時代という男性社会で生きる強かな女を描きたいのであれば幕府についてもっと理解をしてから描くべきであった。
むちまろ

むちまろ

むちまろさんの鑑賞したアニメ