たこめし

シュヴァルツェスマーケンのたこめしのネタバレレビュー・内容・結末

シュヴァルツェスマーケン(2016年製作のアニメ)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

マブラヴオルタやっと完走したから勢いで視聴。

世界観を共有してるらしいけど多少毛色がちがうというか、始めこそBETAの恐怖が強かったが本作のテーマとしてはBETAは完全に背景でほとんど人間同士の話だった。(まあ当時の戦術機のレベルを考えたら本格的にBETAとタイマンはれるとは思えないのでそりゃそうかとも思う)

胸クソの悪さというか救いのなさについては(やや鳴りを潜めているかにも感じられるが)健在で、ただ戦略や作戦行動的な良さは途中でアイリスディーナが離脱して人VS人になった辺りからちょっと物足りなくなった気がしなくもない。(俺が素人だからそう感じてるだけかもしれない)

リィズちゃんがヒロインで中ボスで被害者で本当に見てて苦しかった。
兄を守るために過去に縋るしかくなった妹と、妹に守られたがために生きられた今のおかげで未来を見られた兄が、それ故に互いを想いながらも対立せざるをえなくなっていく物語は、本当に見てて苦しく報われなくて最高だった。
それはそれとして犬にだってなったのシーンは最高ですね。

ベアトリクスがシュタージにかけた思想もわかるし、一方でそれは乗り越えなければならないけど乗り越えたところでどうすることもできない煮えきらない閉塞感の象徴でもあった。アイリスディーナの目に映る最後のベルリンの夜明けの希望に満ちた明るさと、眼下に広がる市街の惨状の対比が、この1クール分の物語では全然足りないと感じさせる規模の世界観ですらも、マブラヴオルタ世界の苦しいながらも広大な歴史のほんの一瞬の泡沫でしかないことを感じさせた。

OPがすごくかっこいい、fripSideはやっぱり安定して期待してる曲を提供してくれるから安心感が違う。
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