空の落下地点

ユリ熊嵐の空の落下地点のネタバレレビュー・内容・結末

ユリ熊嵐(2015年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

るるはキスを諦めて人間になった。スキ>キス
ユリイカはスキを諦めて人間になった。ハコ>スキ
るるはキスを銀子に託して、ユリイカはくれはの中にある〈レイアのスキ〉を頂こうとしている。
くれはは人間の方が優位である、という傲慢の罪を犯した。
銀子が鏡を割くのは、性欲と正義≒愛情に分かれる為。でも、くれはが鏡を割くのは、人間優位の価値観を破壊する為。同じ鏡を割くでも意味が違う。
くれはの願いとるるの願いが銀子に集中して銀子がチートモードに入ってる。キス、スキ、変身の全てを手に入れている。くれはと銀子は運命共同体なので、どっちかが一時的に損しても補完される。だから裁判が意味をなしていない。
るるが二人の為に奪われすぎた、だから🌠二人が星になってるると弟の仲が復活。

るると銀子はくれはをレイプしてると見せかけてライフを与えてる。
監督は人⇔人の間のエネルギー移動を本当に信じているように見える。

くれはの身体の中にれいあのスキがある、というのは桜庭一樹の『私の男』。
銀子の見て見ぬふりはヴィンセント・ギャロの『ブラウン・バニー』。
全体的にロマン・ポランスキーの『戦場のピアニスト』とかも入ってる。
幾原監督はブラウンバニーのラストを復讐しに行ったと解釈していてそれが自作に反映されているっていう見方も可能。見て見ぬふりは償える。

個人的にピングドラムより好いし、人生で観たアニメの中で一番好きかもしれない💡世界全体がラブストーリーの養分である、みたいな話だよね。養分になれば失った世界が戻ってくる。
そうだ、ピングドラムとの違い🐧👀👀👀👀
失った世界が戻ってくるか否か。銀子とくれはの為の物語と見せかけて、るるの為の物語なんだ。

世界は、養分として他者に仕えた者の為にある。
空の落下地点

空の落下地点