ラブコメであり人間ドラマでもあり、面白かった。1クールなこともあって少々早足なところもあったけど、演出や作画の妙、ほのぼの学園コメディの部分と物語の部分とのメリハリの付け方がめちゃくちゃ良かった。
モリサマーが言うように｢人はいつも何かに病んでいる｣からこそ、後半で勇太が導いた｢真っ当に生きるべき｣という道筋はある意味で間違っていると。そして結局のところこの作品が示していることは、最終回のエンドカードがまさにそう言っているように｢リアルに抗え｣なのかなと思った。
物語中で六花が抱えていた｢リアル｣に対してもたらされた救いは、中二病を介して勇太と出会い、紆余曲折の末に過去を受け入れられたことである。十花や六花の爺ちゃんには六花の行動は現実逃避にしか写っていなかったけど、どん詰まりだった自分を救い出してくれるモノ(中二病)と、過去を受け入れるきっかけがそれぞれ必要だったということなのだろう。
そして最終回における勇太は、自分の望みは六花を真っ当な人間にすることではなく、立花の支えになることであると気付く。
結末におけるナレーションでは、人は完璧にまともにはいられないからこそ時には変な風に道を踏み外しながらもリアルに抗っていく、人は永遠に中二病である、という結論がもたらされる。良い総括だ。
実際に良い終わり方だったし、｢2期は蛇足｣という話を方々で聞いてはいるけど続きが気になる思いもありますね。極東魔術昼寝結社の夏のメンバー皆すこれるから…!!!
