パワードケムラー

オビ=ワン・ケノービのパワードケムラーのレビュー・感想・評価

オビ=ワン・ケノービ(2021年製作のドラマ)
2.5
3話まで視聴

 先のクローン大戦での伝説的英雄にして名将軍であったオビ=ワン・ケノービが、精肉加工工場で世捨て人をしているという衝撃的な幕開けではじまった本作。

 しかし、登場人物に極端に地球人型が多いなど『マンダロリアン』や『ボバ・フェット』を期待していたところにEP7-9を見せられるという悪夢のような展開が起きたのは辛かった。ライトセーバーの場面もダースベイダーを見て躊躇いなくライトセーバーを出すオビ=ワンは、正直盛り上がりに欠けたし、ダースベイダーで帝国のテーマを流さずに速歩きさせたのは威厳がないように見えた。また、EP7-9でも見られた一人のキャラクターに不満が集中するような作りは悪い意味で健在で、それによって有色人種差別が再び起きるなど、続三部作の悲劇がまた繰り返されている。

 だが、両親の面影を残すレイアとルークの姿や、EP6で怒りに身を任せてダースベイダーにライトセーバーを叩きつけるルークを、身を焼かれた復讐の怒りで10年間の隠遁で弱ったオビ=ワンにライトセーバーを叩きつけつダースベイダー(アナキン)という師弟が逆の構図で見せてくれたのは評価が高い。

 まだ中盤ということで、だれるところも多いがこれからに期待。どうか無理に続三部作に繋げるような方向性にはしないでほしい。あと、ジョン・ファブローに参加もしてほしい。

追記:4話以降になるとCGIをフルに活かしたフォースによる超能力バトルが展開され、さらにEP4までの間、どのようにして反乱軍が生き延びてきたかが描かれている。この点は『ローグワン』に近いが、オビ=ワンとアナキンとの精神的決着が描かれ、それによりEP4でオビ=ワンが何故消えたのかがはっきりしたのは有難い。また、おじさん夫婦の強さには驚いた。正直、良作とも駄作とも言い難いラインを行く作品だと思う。