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スター・ウォーズ:アコライトのeucalypsoのレビュー・感想・評価

2.5
2話まで観た感想。

ダース・ケネディことキャスリーンの帝政が生んだ、レガシーとしてのスター・ウォーズ既定路線に今までより目配せしない良くも悪くもマッサラな作品という印象。

全体的なルックは、共和国時代を描いたプリクエル、主にファントム・メナスをベースに、ハリーポッターみたいなティーン向けファンタジーに振ってる(コルサントのジェダイ養成学校はホグワーツか?)。

カンフー映画も取り込むなら(音楽も時折チャイニーズ風味)、もっと軽快に快活にやってほしいけど、シャンチーみたいなB級路線に走るわけにもいかず、おとなしい出来。

メイという名前がレイを思わせる主人公、アマンダ・ステンバーグがとてもキュート。

近作ではスパイダーバース続編で電脳少女アバターことスパイダーバイトの声を演じてる。ハンガーゲームなどキャリアもあり、ノンバイナリーのアクティビストということで監督に選ばれたんだろうけど、ごく自然に表情にまとう意思、負けん気の強さがイイ。

SWのお家芸である、宇宙船が惑星に着陸するショットが今回1個もない。正確には1カットあるけど、それは緊急不時着時。遠景のナメ回しと近景のセットのみ、という割り切った構成で、空間に厚みを感じない。

丁寧にショットを重ねて段階的に異世界に馴染ませるという暗黙のルール、その他ディテールの追求がいつにも増してだいぶユルくなってる?放棄?

どうでもいいけど、現地の子供や住人を小銭で釣ってナビさせるテク、そろそろやめませんか?

本作を観ると、ベニオフ&ワイスによるオールド・リパブリックを題材にした企画がポシャり、2人がNetflixで三体を制作した経緯が理解できる。三体5話のエグい表現なんて、ディズニーの下では絶対通らないだろうし。

「私たちは、“最初のジェダイ”をやりたかったのです。要するに、いかにしてジェダイ・オーダーが誕生したのか、なぜそうなったのか、最初のライトセーバーについて描きたかったのです」(ベニオフ)

十年一日のごとく師匠と弟子コンビの窮屈な人間関係ばかり描かないで、新しい視点でジェダイを深掘りしてほしい、というのは長年思ってること。少なくとも、ジェダイが出てこない一般ピープルにフォーカスしたアンドーにはその視点があった。

10年間も眠っていたのに目覚めていきなり◯を飲む青年ジェダイとか、かつてのパダワンのホログラムでニンマリ心慰めるソル師匠には失笑してしまうが、一瞬出てきたウーキー・ジェダイの天衣無縫な身振りや、ローグ・ワンのジェダに似た城塞都市の美観には心くすぐられる。

マンダロリアンのシーズン3やアソーカでディズニー縛りのキツさ、クリエイティビティの限界は感じてるので期待はしてないけど、今作のドロイドがポケットサイズになったのと同様、少しづつ縮小していくSW世界ウォッチャーとしてナンダカンダ楽しんでる(飼い慣らされてる)。

3話の監督がアフター・ヤンのコゴナダなのにちょっと期待(期待してんじゃん)。
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