ntm723

インベスティゲーションのntm723のレビュー・感想・評価

インベスティゲーション(2020年製作のドラマ)
4.2
2017年にデンマークで実際に起こった猟奇殺人事件をトビアス・リンホルム監督がドラマ化。
スウェーデンの女性ジャーナリストがデンマーク人の発明家を取材するため彼が作った潜水艦に乗った後消息を絶ち、数日後バラバラ死体となって発見される。
被疑者はすぐ身柄を拘束され、死体遺棄については認めるものの殺人に関しては否認。

このドラマの何が凄いって、本来ストーリーの軸であるはずの被害者と被疑者の顔はおろか名前すら一切出てこないこと。
あくまでも物語の主役は、犯人の二転三転する証言を反証するため約半年間も懸命に捜索を続けた警察、検察官、ダイバー、被害者の両親たち。
こういう手法、デンマークで流行ってるんかな?「ギルティ」とか、、
実験的ではあるけど、決してこれは気を衒ったエンタメ要素ではないことがよく分かる。
ジャーナリストだった被害者の無念さと真実を追求してきた彼女への敬意を最後まで感じる。
余計な情報や音、残虐なシーンを削ぎ落とした北欧らしい重厚な良質ドラマでした。

自前の潜水艦ってどゆこと?ってはじめは思ったけど、見終わってから色々調べてみると、この犯人宇宙船も作ってデンマークではそこそこ有名な発明家だったらしい。普通にwikiに写真も載ってるし、俳優にもいそうな顔で一見サイコパスには見えない。
そんな男が逮捕されて、事件自体もかなり不可解かつ凶悪なものだったため当時は大きく取り上げられていたそう。
なお、犯人は去年脱獄を図って再拘束された模様。
こんな異常者をすぐに起訴できない『疑わしきは罰せず』の原則がもどかしい。

最近ヨーロッパでよくある6話完結ぐらいのドラマは間延びしないし見やすくて良い。
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