今季、大豆田とわ子に次いで面白かったドラマ。お笑い芸人＝楽しい、このイメージに反して内容はトリオ解散へと進んでいく重さにギャップがあり、1話毎の構成力の高さと演技派俳優陣の息のあったやり取りが心地よく、そして心に染みた。
個人的には兄弟愛と姉妹愛をリンクさせて描いた第3話がピークでマジの神回。有村架純の独白、菅田将暉のスマホにかかってくる兄からの着信、泣けた…。
若干不満に感じたのは、トリオ“マクベス”を解散するのを取り消してもう少し芸人続けてみないかと悩んだ挙句にやっぱり解散します〜の流れが進行的に蛇足、1度決めた解散を取り消そうかと考えた末にやっぱり解散って、尺埋めの寄り道でしかなく無駄に思えた。物語の終幕を3ヶ月後に控えた解散ライブにセッティングするという、あらかじめゴールの決まった物語であり、解散までに登場人物が何を考え何を思うかを徹底して描けばもっと良かったかなと…だからこそ解散そのものに迷いが生じるくだりは俺的にマジで蛇足…あれなければもっと良かったかなと。
しかし売れない芸人の決断された解散までを描くという、いかにも暗くて重い展開に終始しそうなところをギリギリのラインで耐えて楽しくも見せれる辺りがこのドラマの凄いところだなと。毎週の楽しみの一つがまた終わりを迎えた。
タイトル『コントがはじまる』とは、一見内容とは相反する意味合いを持ちそうではあるが、マクベスが解散して各々人生という壮大なコントという名の人生がはじまるという意味なのだと理解した時に最終回の余韻はかなりのものであった。
