けいり部

機界戦隊ゼンカイジャーのけいり部のレビュー・感想・評価

機界戦隊ゼンカイジャー(2021年製作のドラマ)
4.9
‖‪ ◤ 俺の世界、みんなのセカイ ◢‬ ‖

並行世界を含めた自分たちや、みんなの居場所の話。

並行世界の中で唯一残されたこの世界と機械生命体キカイノイドの世界「キカイトピア」が混じり合い人間と機械が仲良く暮らす世界。
その世界に閉じられたはずの他の並行世界の能力を身につけた敵が次々と襲いかかる。

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おふざけ全開の色モノ戦隊かと思いきや、最後まで観てみると戦隊屈指の実に良い物語だった!好き!

最終話はそれまでの48話分で積み重ねてきた並行世界の存在がとても意味あるものに変わっていった…「世界」を他のものと読み替えながら観るとさらに深みが増していくとても良い話🥺
見慣れるまでは違和感に感じてしまう人間1人+機械4人という異色の編成も物語のスパイス。

本作の特徴としては
どんな困難も真っ正面から強引に、全力全開で突破してしまうことだろう。
他の戦隊なら格好悪くて絶対にやらなさそうな、そんな奇妙な様子が楽しく笑えもするのだが、次第にたまらなくカッコよくなって来る。
ワルドの能力で追い詰められた状況も全力で楽しむ。とにかく明るくポジティブ。
キャラデザこそ昭和風味で少しダサかったりするのだが、だからこそカッコよさの本質が見た目じゃないところにあることがとてもよく分かる。

また、ドンブラ並みにほぼ毎回まともな名乗りをしない(5人揃ってはいる)し、下手したらOPも毎回ちょっと違ったりと実は1話1話の作り込みがハンパない。
昭和生まれしか知らんだろというネタが随所に盛り込まれていたり、ちょっと狂っていたり。ドンブラと混ぜるな危険というのも納得。
それでも本作のメッセージはとてもストレートで、実に正統派なスーパー戦隊だった!

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追加戦士・ツーカイザーことゾックスがとにかくカッコ良い。ゾックス演じた増子さんの演技力の高さと、ゴールドツイカー一家の登場による価値観の追加が物語を盛り上げた。

あとはガオーンが好き。
人間と機械で優先順位や好き嫌いを作ってしまっていた彼の価値観が変わっていくところは、序盤からなかなか引き込まれるキャラクターだった。

ほぼ1話完結で毎回異なる並行世界の世界観が展開されるため、観やすいのではないだろうか。
随所に散りばめられた昭和のギャグや声優陣のアドリブなど、こちらも実は大人向けではないかとも思う。作品自体の持つポジティブさにも元気をもらった。


「武器持って暴れるだけが戦いじゃない!」
けいり部

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