Mr. & Mrs. スミスのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

　完走。
　
　「スミス」夫妻というのは匿名の名前であると同時に契約によって雇用主に結ばれ、複数の中の一組でしかない。第一話よろしく「見る対象」に引きずられながら、契約の重さによって「スミス」同志でしのぎを削り、雇用主はただ守られ無傷という状況は、GAFA以降そっくりだなと感じた。主人公二人はこうしてアマゾン・プライムビデオの様なストリーミングサービスに加入し何かしらの作品をみる人間の象徴なのではと考えながら見ていた。物語の終盤はその契約のそとで人を信じぬくことが出来るのかという問いにも見えるし、最後のジェーンの台詞「Look at Me!」もそのニュアンスで捉えた。愛情も仲たがいもすべて雇用主の提示する条件の中におさまり、もう一組のスミス夫妻が爆笑したように勝手にやめて自立するのは不可。つまり全ては牛耳られているという暗示は暗澹たるものでもあった。アクションシーンや自白剤のシーンもかなりぶっ飛んでいるけど、愛も憎も選択できる自主性が担保されていないという意味では生活の一側面を明らかに示している。ネットフリックスでもディズニー＋でもなくアマゾンプライムで流したのも非常に納得した。

　ドナルドグローヴァ―のファンとしては最高に良かったし、ポール・ダノが見られて良かった。シーズン2希望。