このレビューはネタバレを含みます
高所にある十字架やスピーカーと対比するような低所に置かれたカメラとそこに写る人間。更に奥と手前に置かれた人物の照応関係。扉をあけることによる更に奥の景色の配置と空間配置が見事。たばこの火を貸すシーンは>>続きを読む
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二者間から離れた場所にいる何かに引っ張られる序盤から面白すぎ。法律と力によって奪われる冒頭10分は予告になっている。その後の人物が入れ替わる幾つかのシーン(運転席と助手席、扉での入れ違い)によって主人>>続きを読む
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冒頭の母の前を優雅にブランコをこぐ主人公のシーンからカメラの手前と奥に誰を配置するかの演出。無邪気なシーンでは前に、社交場や規律が伴うシーンでは奥に主人公は配置される。鏡には人物達の虚像や過去が写し出>>続きを読む
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パンデミック以前という時制から現在より先の未来までの展望、イメージを膨張させるスマホやネットというガジェットの使用、現実と非現実の反転といったプロットといった諸要素は非常に「現代的であること」を意図>>続きを読む
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本作も物語を駆動する毒蛇は映らない。寝ているポープ(カンバーバッチ先生)という動きを捉える映像としては最も難しい人物を横か正面かで捉えることによってそれ以外の空間を変化させるダイナミズム。それを左右に>>続きを読む
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ネズミ捕りを追いかけていたはずが、実は鑑賞者がネズミに近づいていくというかなりグロテスクなが物語。正面から見ていたはずが切り返しによって反転させられる幾つかの場面(土管のなか、もしくは持ち歩いていたネ>>続きを読む
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正面から構えたカメラの手前と奥を行き来する大人と子供という画が出てくるから『ファンタスティック Mr Fox』、草むら越しの扉を横に移動することによって更に駆動する。スタッフが小道具を渡すように映りこ>>続きを読む
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正面を基調とした画面による長回し、右にパンで時を進め、左に行けば戻る。物語と読者(鑑賞者)は入れ子状。90度のカメラの傾きの反復と電気ストーブの灯りの明滅は物語の行く末とも呼応する。最後は家の外で語り>>続きを読む
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「ポルノまがい」の情報と執着ばかりを惹き起こし、愛することからは阻害される情報。ネットワークとは社会や人間の営みの事であり、こうして本作について記述する人間ももれなく「メディア」だと示す先駆的なプロッ>>続きを読む
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シネマスコープの横長の画面に映される左右の横移動、手前と奥の移動。左ハンドル、洋服、空を覆う戦闘機の訓練という戦後の変化がにじりよるなか、子供達や産婆さんは駆けずり回る。全くコントロールが効かない天気>>続きを読む
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無茶苦茶面白かった。自身の欲望から始めた団結が見事に結果を結び、徐々に破綻していくという物語は余りにも現代的。それが全員共通の敵に出くわいてもう一度結びつき、混乱を引き起こす為に作った爆弾によって終わ>>続きを読む
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IMAXで鑑賞。戦いにおける舞台上と観客の交互のカット割り然り、音楽然り、2024年作としては少し古いとは感じたものの、本作は継承することについての作品でもあり、それはポール・メスカル(の世代)に託さ>>続きを読む
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光の明滅、影を手の扱い、階段の往来、水と火の対比と見所多し。恋人と怪人は女性の左右の片方に置かれ対照的。引いた画による群像性も含め、映画が如何に舞台における演出と通底していたかを考える上で非常に興味深>>続きを読む
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全編見ることは今のところ出来そうにないので、スコアは留保せざるおえないが、手前に2人の子供、ルンペン、飽き飽きした人物といった人物を配置したり、尽きせぬ川の流れを背景に父娘で恋愛・結婚観を語ったり、内>>続きを読む
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滅茶苦茶労作で劇伴が感情的過ぎるのを除けば見ごたえはあったしアニメ版『チェンソーマン』以上に藤本タツキ作品の映像化に成功していると思う。しかし最後のエンドロールを見ると、少人数制且つかなり監督に負担の>>続きを読む
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ベルリンに上陸してからそこを発つまでの自由時間の記録でありながら、手前と奥の構図と左右対称の構図を対比させ、さらにカットによる断絶によって人間模様を浮かび上がらせる様には素直に興奮した。目指す場所とし>>続きを読む
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本編最後に「ここで映されている事は翌年以降改善された」という文章を載せるよう決定づけられたように、本作は60年代後半の愛と自由の希求というムードと裏表の関係にあるアメリカの暗部。冒頭と終幕部における患>>続きを読む
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これは傑作。同じ構図の反復、エリーが常にいる高台、横並びの人物達が示す関係性が左右反転したり第三者が介在することで変化する。顔の写しかたが右からか左からかによる呼応は女性二人が水に浮かぶ場面で一つのピ>>続きを読む
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東京国際映画祭にて。
中々表には見えてこない歴史や記憶と如何に繋がるかをテーマにした作品であり、それは石や木々といったモチーフや沖縄戦を伝聞している方の語りによって伝わってくるのだが、同時に本作>>続きを読む
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劇伴は必要ないし、人物の映し方にバリエーションも無い。マイクが拾う空気のザーっていう音で編集とテイクの使い分けが分かってしまう作品は初めて。監督が編集やポスターデザインまで全てをこなしているのは凄いと>>続きを読む
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あまりにも黒沢清節で爆笑した。各登場人物の造形やゴダール的断絶(奇しくも『悪は存在しない』とシンクロ!)もそのままに、プロットの合理性ではなく、銃を撃ち合わせる為に物語を進める。そこに光と影の煌めきと>>続きを読む
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IMAXレーザー。良くて痺れた。
『ジョーカー』がジョーカーを見る映画だとするなら本作はアーサー・フレックを見る映画。道化師を期待していたら、「誰にも知られていない」人物を見ることになるのだから、>>続きを読む
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車、自転車、追いかけっこを同列に収めるカメラと老若男女と動物を同等に映す構図。その中で出演している俳優と共に上を眺めることになる我々鑑賞者。飛行機とハエの音を混同するのは笑いでもあり皮肉か。動きを捉え>>続きを読む
ほぼ無際限な場所に人物を配置し、前後/左右に誰を置くかによって徐々に変遷していく関係を見守るだけ。最後のダンス場面は痺れた。
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普通に繋ぐのかジャンプカットによって省略し時間を歪ませるのかを見ているだけでかなり面白く見れた。主人公たちは同じ場所を2回以上似たようなカットで通るが照明の明暗がはっきり違い、それが二人の女性に引き裂>>続きを読む
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IMAXで見たがとにかく音が凄かった。目の前で爆竹が爆発しているかのような銃声を聴いたのは初めて。そしてそこでカメラを向けるカメラマンは1秒24コマを切り取ったかのような写真で死を画面に残していく。ピ>>続きを読む
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+濱口竜介監督、三宅唱監督トークショー。
面白すぎ。常々流動性を帯びる画面は兵隊の隊列から、訓練、はたまたトイレ(大)ともシンクロし、脱走は必ずその画面を支配する流れを逸れるか分け入るかのようにして>>続きを読む
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3章に共通するのはR.M.F.という人物に纏わる表題というだけでなく、アイデンティティというテーマがあったと思う。それは同じキャストが複数の役演じるというテーマとも呼応している。第一章「The Dea>>続きを読む
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「ぴあフィルムフェスティバル2024」のグランプリ作品。
ドキュメントはセルフドキュメンタリーへ。ショットの切り返しが続くからこそ最後の子供のカットが印象に残る。アニエス・ヴァルダはやはり想起したが、>>続きを読む
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「ぴあフィルムフェスティバル2024」の審査員特別賞作品。
常々メタ的視点を覗かせながら虚実混淆で進む。青春版の『マルホランド・ドライブ』といったら大げさか。小道具によって時系列がある程度整理され、そ>>続きを読む
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白球の代わりに初雪が舞い降りてきて、キャッチボールを経て雪解けするまでの「特定の時間」を真空パックした本作。3人の融和を経てそれぞれの一人きりのショットに返っていく。照明の優美さはあまりにもロマンテ>>続きを読む
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グレン・パウエル演じるゲイリーが画面向かって右から左へと入ってくる冒頭から同じ方向に向かって歩き、元妻の女性が画面の左から右へ入ってくるシーン、そして本作の主人公でもあるマディソンもその女性と同じ移動>>続きを読む
ぴあフィルムフェスティバルにて無声映画を沢山見たのだが、Filmarksにあったりなかったり、題名が違ったり、監督名が分からない作品もあったりするので最も代表的な作品だけ記す。
本作は駅に機関車が入>>続きを読む
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煙草に火を付けるタイミングとその火の行方も素晴らしかったが、とにかくスマホの扱いに痺れた。最初の会話を遮りから自撮りしながら少しだけカメラに画面をのぞかせる場面、タクシーの中で夜景より遥かに鮮明に主人>>続きを読む
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楽しかった。出てくる映像を覚えたり、細やかな演出のために目を見張ることも無い。編集も撮影も結構ざっくり適当に撮ってある。だからこそ裏で手ぐすねを引く悪者の脚本を乗り越えてスタントという生を生き抜くと>>続きを読む
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ゲット・バック・セッションの模様を収めた何日にも及ぶ素材を元に、3部作構成7時間超の内容に収めたドキュメンタリー。部分的に画面に音声を張ったり、口と声が合ってなかったりするのでピーター・ジャクソン監>>続きを読む