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無茶苦茶面白かった。自身の欲望から始めた団結が見事に結果を結び、徐々に破綻していくという物語は余りにも現代的。それが全員共通の敵に出くわいてもう一度結びつき、混乱を引き起こす為に作った爆弾によって終わ>>続きを読む
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IMAXで鑑賞。戦いにおける舞台上と観客の交互のカット割り然り、音楽然り、2024年作としては少し古いとは感じたものの、本作は継承することについての作品でもあり、それはポール・メスカル(の世代)に託さ>>続きを読む
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光の明滅、影を手の扱い、階段の往来、水と火の対比と見所多し。恋人と怪人は女性の左右の片方に置かれ対照的。引いた画による群像性も含め、映画が如何に舞台における演出と通底していたかを考える上で非常に興味深>>続きを読む
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全編見ることは今のところ出来そうにないので、スコアは留保せざるおえないが、手前に2人の子供、ルンペン、飽き飽きした人物といった人物を配置したり、尽きせぬ川の流れを背景に父娘で恋愛・結婚観を語ったり、内>>続きを読む
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滅茶苦茶労作で劇伴が感情的過ぎるのを除けば見ごたえはあったしアニメ版『チェンソーマン』以上に藤本タツキ作品の映像化に成功していると思う。しかし最後のエンドロールを見ると、少人数制且つかなり監督に負担の>>続きを読む
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ベルリンに上陸してからそこを発つまでの自由時間の記録でありながら、手前と奥の構図と左右対称の構図を対比させ、さらにカットによる断絶によって人間模様を浮かび上がらせる様には素直に興奮した。目指す場所とし>>続きを読む
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本編最後に「ここで映されている事は翌年以降改善された」という文章を載せるよう決定づけられたように、本作は60年代後半の愛と自由の希求というムードと裏表の関係にあるアメリカの暗部。冒頭と終幕部における患>>続きを読む
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これは傑作。同じ構図の反復、エリーが常にいる高台、横並びの人物達が示す関係性が左右反転したり第三者が介在することで変化する。顔の写しかたが右からか左からかによる呼応は女性二人が水に浮かぶ場面で一つのピ>>続きを読む
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東京国際映画祭にて。
中々表には見えてこない歴史や記憶と如何に繋がるかをテーマにした作品であり、それは石や木々といったモチーフや沖縄戦を伝聞している方の語りによって伝わってくるのだが、同時に本作>>続きを読む
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劇伴は必要ないし、人物の映し方にバリエーションも無い。マイクが拾う空気のザーっていう音で編集とテイクの使い分けが分かってしまう作品は初めて。監督が編集やポスターデザインまで全てをこなしているのは凄いと>>続きを読む
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あまりにも黒沢清節で爆笑した。各登場人物の造形やゴダール的断絶(奇しくも『悪は存在しない』とシンクロ!)もそのままに、プロットの合理性ではなく、銃を撃ち合わせる為に物語を進める。そこに光と影の煌めきと>>続きを読む
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IMAXレーザー。良くて痺れた。
『ジョーカー』がジョーカーを見る映画だとするなら本作はアーサー・フレックを見る映画。道化師を期待していたら、「誰にも知られていない」人物を見ることになるのだから、>>続きを読む
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車、自転車、追いかけっこを同列に収めるカメラと老若男女と動物を同等に映す構図。その中で出演している俳優と共に上を眺めることになる我々鑑賞者。飛行機とハエの音を混同するのは笑いでもあり皮肉か。動きを捉え>>続きを読む
ほぼ無際限な場所に人物を配置し、前後/左右に誰を置くかによって徐々に変遷していく関係を見守るだけ。最後のダンス場面は痺れた。
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普通に繋ぐのかジャンプカットによって省略し時間を歪ませるのかを見ているだけでかなり面白く見れた。主人公たちは同じ場所を2回以上似たようなカットで通るが照明の明暗がはっきり違い、それが二人の女性に引き裂>>続きを読む
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IMAXで見たがとにかく音が凄かった。目の前で爆竹が爆発しているかのような銃声を聴いたのは初めて。そしてそこでカメラを向けるカメラマンは1秒24コマを切り取ったかのような写真で死を画面に残していく。ピ>>続きを読む
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+濱口竜介監督、三宅唱監督トークショー。
面白すぎ。常々流動性を帯びる画面は兵隊の隊列から、訓練、はたまたトイレ(大)ともシンクロし、脱走は必ずその画面を支配する流れを逸れるか分け入るかのようにして>>続きを読む
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3章に共通するのはR.M.F.という人物に纏わる表題というだけでなく、アイデンティティというテーマがあったと思う。それは同じキャストが複数の役演じるというテーマとも呼応している。第一章「The Dea>>続きを読む
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「ぴあフィルムフェスティバル2024」のグランプリ作品。
ドキュメントはセルフドキュメンタリーへ。ショットの切り返しが続くからこそ最後の子供のカットが印象に残る。アニエス・ヴァルダはやはり想起したが、>>続きを読む
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「ぴあフィルムフェスティバル2024」の審査員特別賞作品。
常々メタ的視点を覗かせながら虚実混淆で進む。青春版の『マルホランド・ドライブ』といったら大げさか。小道具によって時系列がある程度整理され、そ>>続きを読む
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白球の代わりに初雪が舞い降りてきて、キャッチボールを経て雪解けするまでの「特定の時間」を真空パックした本作。3人の融和を経てそれぞれの一人きりのショットに返っていく。照明の優美さはあまりにもロマンテ>>続きを読む
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グレン・パウエル演じるゲイリーが画面向かって右から左へと入ってくる冒頭から同じ方向に向かって歩き、元妻の女性が画面の左から右へ入ってくるシーン、そして本作の主人公でもあるマディソンもその女性と同じ移動>>続きを読む
ぴあフィルムフェスティバルにて無声映画を沢山見たのだが、Filmarksにあったりなかったり、題名が違ったり、監督名が分からない作品もあったりするので最も代表的な作品だけ記す。
本作は駅に機関車が入>>続きを読む
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煙草に火を付けるタイミングとその火の行方も素晴らしかったが、とにかくスマホの扱いに痺れた。最初の会話を遮りから自撮りしながら少しだけカメラに画面をのぞかせる場面、タクシーの中で夜景より遥かに鮮明に主人>>続きを読む
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楽しかった。出てくる映像を覚えたり、細やかな演出のために目を見張ることも無い。編集も撮影も結構ざっくり適当に撮ってある。だからこそ裏で手ぐすねを引く悪者の脚本を乗り越えてスタントという生を生き抜くと>>続きを読む
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ゲット・バック・セッションの模様を収めた何日にも及ぶ素材を元に、3部作構成7時間超の内容に収めたドキュメンタリー。部分的に画面に音声を張ったり、口と声が合ってなかったりするのでピーター・ジャクソン監>>続きを読む
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あまりにも王道なホラーとしての前半から、それ自体をフリにしたかのような荒唐無稽な後半という物語は新しいが、急展開故にダイジェスト的な絵は映画的ではないし、なにより前半の高所/低所を活かした部分(特に家>>続きを読む
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冒頭の街を映したカットから「絵が古くない?」とテンションがゆっくり落ちていき、その後印象的な場面での白い光に「80~90年代の米映画みたい」と感じ映画としてみることをほぼ諦めた。それぞれのドラマの劇伴>>続きを読む
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本作鑑賞以前に『薔薇の葬列』を見たのはかなり良かった。反復による変化、手振れカメラや抽象的なイメージショットとドキュメント、美輪明宏の出演と共通項多数。星条旗を燃やしアメリカを嫌いながら、信頼していた>>続きを読む
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映像は撮った瞬間過去になるという事実からすれば、映画であろうとすることと過去を誠実に語ることは矛盾する。プロット上では、作家と作品の関係性についてであり、舞台や小説にもその構図は当てはまる。しかし、映>>続きを読む
「古い」とされた最初の感情たちが(自分たちの欲しい記憶以外にしたことと同じように)捨てられて戻ってくる。そしてアイデンティティを規定することなく開放するというシンプルなプロットが非常に面白かった。これ>>続きを読む
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色々な事を捨象していくプロット、車の移動におけるクレーンショットと幾つかの顔のアップorシーンの繋ぎの乱暴さに目をつぶるとかなり楽しかった。
左が未来、右が過去の移動というオーセンティックさもあれど端>>続きを読む
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特撮のアイデアもかなり織り込まれた、ファンタジックな喜劇映画。狐の高峰秀子はかわいさでいうと今まで見た中で一番だったかも。アリ・アスターが『ミッドサマー』で一つのシグネチャーにしたような幾何学的な集団>>続きを読む
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契約問題、もしくは俳優やキャラクターが背負った記号性に道筋をつけるという意味で、今後のMCUの転換点になりそうな作品だと感じた。厳しく言えば、あまりにも物語内物語と化した現在の世界観からするとこれが精>>続きを読む
松村禎三 作品集にて「ルポルタージュ 炎」「音響創造 ─電子の技術─」と共に併映。
難しかった。人形自体の3次元性と浮世絵や巻物のような背景の2次元性をどう落とし込んで見るべきか良く分からないまま最後>>続きを読む
不思議な映画だった。水中は全部CGで海面は割と生(一部のシーンではカメラ位置の関係からか違った)。ホテルを舞台にしたアクションシーンはカッコよく撮れているにも関わらず、会話シーンでは演出/カット共に決>>続きを読む