激寒で重々しいシーンの連続のため、途中で見疲れによって閲覧離脱が数週間続いたが、見せ場はいくつもある。
野卑で下劣で残酷なサイコを演じるコリン・ファレルには圧倒されるとともに、その聞き苦しい声や風貌を見るたびに不快感を抱いた。かつての好男子の印象は吹っ飛ぶような悪役だ。
後半ジャック・オコンネルとシロクマ遭遇のシーンは白熱の演技で見ごたえがある。軍医時代、現地の少年とのトラウマで薬物に走り、自己崩壊に至った主人公が、シロクマ事件後に老人との邂逅で自己を取り戻していく。
よくある話としては、人生に疲れた主人公が無垢な子どもとの出合いで癒されるケースはあるのだが、このドラマでは見知らぬ老人との出合いで覚醒していく点がユニークだった。
船長役のスティーヴン・グレアムは良い味を出していた。