FRANCIS

ボバ・フェット/The Book of Boba FettのFRANCISのレビュー・感想・評価

3.8
ジョン・ファブロー×ディヴ・フィローニの『マンダロリアン』コンビが送るドラマ第二弾。

『マンダロリアン』シーズン2.5という位置付けで、シーズン3までの繋ぎのスピンオフ作品として捉えられる。ただし、今回新たに製作総指揮として加わったロバート・ロドリゲスが7話のうち3話を担当するほか、5・6話の主役交代と前作に比べ構成の歪さは否めない。

新たに加わったステフ・グリーンの担当した2話、プリクエル世代ブライス・ダラス・ハワード(5話)のN-1戦闘機への溢れる愛情など女性監督回は文句無しに素晴らしい。

本編ではセリフは4行のみで登場時間は6分、主にスピンオフで活躍してきたボバのキャラクター像との乖離は、意図的な演出とはいえやや複雑な心境。

脚本に様々な要素を詰め込み過ぎたことが最終回で溢れると同時に、緩慢なアクションが共に目に付く。最終的な目標が辺境の自警団なのか暗黒街の継承か、西部劇とギャング映画の中間で中途半端な印象を残す。

そして何より、ジョンもディヴもケイパーものは不得手だということ。他のTVドラマ演出で今回不参加のリック・ファミュイワに任せるべき。

全体の約半分を占める(1,3,7話)ロドリゲス回はレトロSFを思わせる独特の拘りが垣間見える、クリーチャーやモッズ造形が印象に残るもののそれ故の冗長さが本筋を霞ませてしまった気も。巨大ドロイデカとの対決やフォースを使うグローグーなども、もう一捻り欲しかったところ。
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