このレビューはネタバレを含みます
「今俺を見たな!これでお前とも縁が出来た!」
出会い頭にこんなことを言い放ってきて、嘘を付いたら死ぬレッドを筆頭に、無職でお金を触ると火傷するブルー、漫画家で物語の中心に立ってるであろうヒロインなのにヒロインの扱いをほとんど受けないイエロー、常識人かと思いきや好きな人のこととなると人が変わり人を殺すことさえも躊躇わないサイコパスのピンク、指名手配犯で物語終盤まで仲間と顔合わせがないブラック、二重人格で極端に優しい方と極端に凶暴な方がある追加戦士など、個性が強過ぎる面子によってほぼ毎回カオス。
戦隊側だけじゃなく敵側もぶっ飛んでて、おそらく登場人物の中で1番まともだけど時々壊れるソノイ、恋のことを理解しようとして、最終的に翼ばっかり言うようになるソノニ、面白いことを探して漫画を見つけ、最終的にはるか(イエロー)の漫画の編集長になるソノザなど、敵側も個性が爆発してる。
最終的には味方になるし。
カーレンジャーもぶっ飛んだ戦隊だったけど、個人的にぶっ飛び方はカーレンを超えてると思う。
雉野はみほちゃんみほちゃんうるさ過ぎて最後まで好きになれなかったけど、ヒトツ鬼化した誘拐犯が許しの輪で救われてて、間接的に人を殺した汚名が晴れたのは良かった。
犬塚を罠にはめて獣人化させたり、他にも戦犯行為をしてるからそれでも好きにはなれなかったけど。
ラスボスのソノナとソノヤの変身後がソノゴとソノロクの完全使い回しだったのも残念だったかなぁ。
せめてライン入れて少しだけでも見た目変えるくらいはして欲しかった。
あと個人的に必要だったのか微妙だと思ったのは、他の戦隊に変われる能力。
ゼンカイジャーの記念作延長線なのかな。序盤はちょこちょこ使ってたけど、終盤は使ってるイメージがないからあまり必要性を感じなかった、別にそれを活かした展開とかもなかったし。
全員揃っての生身変身、名乗りが珍しいのもドンブラザーズの特徴で、初めて名乗るのが36話なのにブラックが偽物でちゃんと最後まで名乗れないというぶっ飛びっぷり。
全員揃っての生身変身は44話が初で、これはちゃんと出来ていたし、ようやくだったから感慨深いものがあった。
そして最終回で本当に全員で名乗りきるという偉業。
これまで名乗らなかった積み重ねを活かした最高の展開で、これまでのスーパー戦隊の常識をぶち壊す挑戦的な作品でもあった。
こんなぶっ飛んだ作風で終わり方がしんみりで綺麗だと誰が想像しただろうか。
次第にドンブラザーズのことをお供としてじゃなく仲間として認めていき、敵味方関係なく暴れていた頃からは考えられないタロウの成長、後継者のジロウが精神的に成長することによって役目を終え、最終回に近づくにつれてドンブラザーズとしての記憶を失う切ない展開。
みんなの顔を思い出せなくなっていくところは辛かった。
最終回にはるかが描いた漫画を読んで記憶を取り戻して大団円じゃなく、最後の力を振り絞って仲間の元に駆け付けて、敵を倒してから記憶を失って普通の人間になるのが良かった。
それから時間が経っていつもの配達屋としてはるかと再開して「縁が出来たな」で締めるのも凄く爽やか。
1話の始まり方で締めてるのってほんと良い。
ラストシーンは歴代の戦隊の中でもかなり上位で好き。
ドンブラザーズとしての繋がりは終わったけど、また新たな思い出を作っていくんだろうなって思えるラスト。
ドンオニタイジンがライブロボばりの強ロボだったのも見てて爽快感があって面白かった、幽霊以外に苦戦してるイメージがない。