OP主題曲がジェファーソン・エアプレーン『ホワイトラビット」のアレンジバージョンだから、制作陣は客をおもいっきり騙し、脳内を搔きまわし、最期にはトンでもないオチをもってくると予想した。
ホワイトラビットのオリジナルはドラマ内のエンディングにも使われていた。そもそもこの曲は『マトリックス・レザレクションズ』の予告でも使われている。歌詞をみればわかるように、迷宮系ストーリーにはうってつけの曲である。
そこからしても『マトリックス』の世界観を意識しているのは明らかだ。
それとドラマ『ウエストワールド』のシーズン1-2あたりとも印象が似ている。
ラストは予想を裏切る時間軸をバックボーンにして、「こんなオチがくるのでは?ああいうオチにしてほしい」と期待していたら、まさにその期待を上回るオチをブッこんできた。
脚本は哲学、脳科学、シミュレーション仮説などの美味しい部分を盛り込み、知的興奮をもたらす効果を狙っている。名作『Dark』の制作陣は相当の意気込みで取り組んでいるのだろう。
シーズン2でどんだけストーリーが飛躍できるのかにかかっている。うまくいけば、このシリーズはドラマ史上、最強レベルのものになる可能性もある。ドイツドラマはうんちくが多く、論理を重視するのでまったく侮れない。同じ欧州でもフランスやイタリア産ドラマなどとは深みが違う。これは次が待ち遠しいでしょう。