Kaji

グリッチ -青い閃光の記憶-のKajiのネタバレレビュー・内容・結末

グリッチ -青い閃光の記憶-(2022年製作のドラマ)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

いやー駆け抜けた。UFOとかオカルト好きなんで。

全体的には「まあまあ面白い」ぐらいかなと思うのだけど、浮遊感があるタッチとヨビン&ナナのシスターフッド、カルト宗教とどんどん接近していく展開でドラマのテンションに飲み込まれていくようだった。

複雑な伏線で引導していくスタイルじゃなくて、割とポンポン真相が出てくるので早い展開。

メシアと呼ばれるジヒョを救うボラ、ボラを助けるわちゃわちゃトリオのバランスにユーモアもあり、胸熱展開もあり。
イドンフィ渾身のおとぼけ演技はもはや名人芸。
チョンベス俳優が父役をした俳優の豪華さったらない。
コチャンソク俳優のくまくましさ殿堂入り。
ちなみに「コグマアジョシ」は直訳さつまいもおじさんで、食べると詰まるさつも芋に模してはっきりしなくて詰まってる感じを表す。子熊じゃない。
Sweet homeで刀を振り回してたキムナムヒ俳優も出ていて嬉しかった。
アンウニョン先生が好きな人は好きなんじゃなかろうか。
かくゆう私も好き。

わけわからんメカメカしい冠をつけて顔を歪めるジヒョに「ミッドサマー」っぽい禍々しさがあったり、「メッセージ」以降の地球外生命体のイメージが乗ってたりと明るいオカルト描写が今っぽい。


さて、「人間レッスン」の作家さんと映画「造られた殺人」の監督のケミ、良かったんじゃ無いでしょうか。
人間レッスンは激重ドラマですが、うしろめたさが常態化して罪の意識が薄れてる少年犯罪を扱っており、その思考停止状態が彼らのサバイバル方法である社会的暗部にフォーカスしてました。
グリッチでも、記憶から消していた罪悪感がキーになるので共通点を感じます。
「造られた殺人」しか拝見していなかった監督ですが、今まさに大ごとが起こっているのに嘘を嘘で固めてドツボに向かう主人公が半コメディ半サスペンスな一作、作家さんと監督さんの共通点と得意な質感がよく混ざり合っていたと思います
Kaji

Kaji