ふわっふわのかに

らんまんのふわっふわのかにのネタバレレビュー・内容・結末

らんまん(2023年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

なんという上品なドラマ…!!!!
半年見られて幸せだった。ひたすらに大好き。

「雑草という花はない」という言葉を、ただただ丁寧に人の物語であらわしていく。
どんなに細やかな登場人物であれ、名のある人はみんなそれぞれの人生があって、主人公なんて出てこない回もあるくらい、リスペクトを込めて描かれてる。
朝ドラとはいえ限られた時間のなかなんだけど、セットの変化ひとつ、セリフひとつできちんとそれまでの経緯が想像できたりする。
それが、とっても美しい…!

個人的に一番好きだったのは、大畑のおやじが白梅堂に走って、夜明けと共に結婚の申し込みをするシーン。文太さんの受け取り方も素敵で、一緒に泣いてしまった。
いやでも他にも、名シーンはたくさんあるなあ。

毎週のタイトルがお花の名前で、最終回で完成した図鑑のページがめくられるたびに、すえちゃんと一緒に、いろんな人の、いろんな出来事を思い出す。謝辞に書かれた名前がただ映されていく静かなシーンは、役者さんではなく、登場人物たちのエンドロールのようだった。

雑草という花はない、という実在する言葉の下の句は、
だからもっと歩いて、自分の目で観に行こう、だと受け取った。
それが後半、すえちゃんの渋谷見聞に繋がったのは見事だったし、今の世へのメッセージにも思えた。

主題歌と描写のマッチも、ナレーターの使い方も、ほんとにこの上なくて…もう5をつけちゃった。また必ず、もう一度みます。