ルーク大佐

ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男のルーク大佐のレビュー・感想・評価

4.4
孤高の神作『ゴッドファーザー』の舞台裏を描く名作ドラマだ。

映画誕生から50年が経ち、プロデューサーのアルバート・S・ラディ自らが製作総指揮を兼ねているので臨場感が極まっている。ランド研究所プログラマーからコンテンツ業界に転職。最低限の予算内でゴッドファーザーの映画化に取り組む。

有能&破滅型上司とのやりとり、金稼ぎにしか興味のない親会社CEOや幹部とのぶつかりあい。イタリア系マフィアから脅迫や暴力など次々と難問が押し寄せる。

難題解決に四苦八苦する中、体当たりで映画完成に突進する主人公の活躍には胸躍る。コッポラ、マーロン・ブランド、アル・パチーノらとのコミュニケーションも生々しい。

これをみたらすぐにゴッドファーザーシリーズを見直したくなった。映画内でジェームズ・カーン扮するソニーがチンピラを本気でボコボコにするシーンの裏事情には笑った。早速ゴッドファーザーを見てそのシーンを確認しよう。

とにかく主人公は決して天才型ではなく、仕事一筋の男であるため、リアリティがある。登場人物はまだ生存している人がいるため、多少美化しているのかもしれないが、ちょっとヤバいシーンもある。それは脅迫してきたマフィアが惨殺されるシーンだ。そのマフィアがあの店でパーティーすることを知っていたのは主人公なわけで、味方のマフィアに耳打ちしたのではないか・・。

コッポラのオタクっぷりやマーロンブランドの王様キャラ、そしてロバート・レッドフォード、バート・レイノルズやアリ・マッグロー役も出てくるし、70年代の映画界の動きがわかって見飽きない。

全10話なため、5話くらいまではややスピード感は落ちるが、6話からパワーアップしてくる。マイルズ・テラーやマフィアの友人ジョヴァンニ・リビシの演技が光ってた。リビシはちんぴら小市民役のイメージがあるが、本作ではおそらく10キロ以上体重を増やし、ハゲ姿でボスを演じているのでは。イタリアなまりの英語がうまかった。
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