ヒムロ

インビジブルのヒムロのネタバレレビュー・内容・結末

インビジブル(2022年製作のドラマ)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

相棒 安野を目の前で殺されて以来、犯人を逮捕する為には手段を選ばない異端の刑事志村。
この世界には警察ですら都市伝説と呼ぶ犯罪者達 がいる 。通称クリミナルズ。
その犯罪をコーディネートするインビジブルことキリコが突如警察の前に姿を表し、志村とのバティを条件にクリミナルズの逮捕に協力、安野殺しの真相を教えると宣言。
異色バディはクリミナルズを捕まえられるのか、安野の死の真相とは、そしてインビジブルの本当の目的とは。


楽しめた反面残念な部分が非常に多く目立つ作品だったので以下に列挙していく。

【良かった点】

・キャスト陣の豪華さ
高橋一生×柴咲コウのバディ物というだけでも渋い実力派キャスティングで見たくなるが、桐谷健太、板垣李光人、ネプチューン原田泰造などしっかりとした存在感のあるレギュラーキャラ達が素晴らしかった。

・音楽のクオリティ
主題歌であるDragon Ashの「Tiny World」も素晴らしいが得田真裕さんの劇中BGMが印象的でテンションが上がる。
メインテーマやインビジブルのBGMなどあまりの良いので得田さんの担当作品をWikipediaで見てみたら、他の作品でも素晴らしい音楽だったなと覚えていたほどだった。

・厨二心くすぐる設定
「クリミナルズ」「インビジブル」を初めとした設定全体がどこが少年漫画の刑事物の様で賛否あるポイントだとは思うが個人的には好きだった。
また復讐に取り憑かれた刑事と犯罪者の親玉がバディを組む、などの設定も少年漫画っぽく面白かった。


【悪かった点】

・警察が無能
賢い人間を描く上で一番ありがちでダメな脚本のミス「周りの人間をバカにする」をずっとやっている。
おねだりされて目を離す。勝手にトイレに行って無線を外して犯人を見逃す。出前のフリした内通者素通り。等々、上げればキリがない。

・そもそもキリコがあんま強くない
インビジブルとしての万能感は序盤だけでキリヒトが出てきてからはインビジブルらしい活躍は影が薄い。
そもそも余裕がなく裏をかかれるシーンも多く、神算鬼謀な闇の住人感が無い。
段々と人間味が出てくるのが好きという人もいるだろうが僕は一貫して強くいてくれるか、最後だけ崩れるパターンが良かった。

・影の薄いキャラが多い
同じ刑事部に空気キャラが多い
良いシーンがありそうで何もない塚地さん
ラストで急に後輩ヅラしてきたが目立った活躍のない磯ヶ谷&五十嵐
何か後半あたりに出てきたお偉いさん的な人全般
後半のかませ犬クリミナルズ
良いキャラだったのに最終回空気のマー君、ローズ、鑑識。

・サブタイトルがダサい
煽り文かと思ったら丸々全部がサブタイトルだった。
なろう系ラノベぐらい長い。
もしかしたら円盤化で正式タイトルが付くかもしれないが作品と雰囲気が違いすぎる。

・猿渡がステレオタイプすぎる
ライバルキャラから新バディという王道展開を裏切って真のラスボスとなったはいいが「サイコパスってこんな感じでしょ?」を詰め込んだみたいな量産型サイコ野郎過ぎてラスボスの風格がない。

・犬飼さんの無駄死に感
犬飼さんが調べていた警察官の過去書類から猿渡の正体に気づいたキリコ。
しかし最終話で、犬飼さんの死亡事故について猿渡が言っていた言葉を聞いた時点で黒幕だと志村は察していたと判明。
決定的証拠もあったがきっかけは猿渡のミスというオチに何だかやるせなさを感じた。
もっとかっちりと何かを残していてくれれば熱い感じになりそうだったが。

・バックボーン不足
キリヒトがキリコに執着しすぎな部分は話の文脈からは察せても描写が少なく何だか違和感。
安野は死ぬシーンばかりで普段の回想がほとんどないので、復讐に燃える志村へ感情移入出来ない。
キリコの言動に重なる的な描写もないのでせっかくバディなのに何か勿体無い。
犬飼、猿渡、塚地の昔志村と何かあったが具体的には描写されない感じ。
スピンオフ漫画用の下地なのだろうか?




全10話構成だが6、7話ぐらいで飽きていた。
設定やキャストは良かったが脚本、構成が個人的にはイマイチな作品だった。
ヒムロ

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