菊地喬

アウターレンジ ~領域外~ シーズン1の菊地喬のレビュー・感想・評価

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まるでコーエン兄弟が作ったかのような『ツイン・ピークス』ふうなお話。
謎が何ひとつ解き明かされないのだが、ペリー・アボットの行動に理解の手がかりの一つがあるのかと思う。
ティラーソン家のトレヴァーを殴り殺してしまったアボット家のペリーは牧場の「穴」に飛び込み、父親のロイヤル・アボットがまだ若かった時代に移動する。
再び牧場の「穴」に飛び込んだペリーは、トレヴァーを殴り殺すことになる現代の、その日の夜に戻ってくる。
現場のバーに行くと、トレヴァーと「あの日」のペリーは正に喧嘩の最中で、そこでは逆にペリーがトレヴァーに殴り殺されてしまう。
その状況を穴から戻ってきたペリーが見ている。
自分の死体を車に乗せたペリーは牧場に行き、自分の死体を穴に投げ込む。
つまり「時間は川よ」というキーワードは、時間という川の流れは何本もあって、同一人物であっても川の流れの数だけ別の個体として認識され、存在するということか。
1番好きなシーンはシーズン2の5話で先住民の保安官ジョイが居留地の病院に向かう際の警察官と保安官のやりとり。
ワイオミング州が舞台のミステリーということで連想するのはデヴィルズ・タワー。
リー・ヘイズルウッドの曲が使われているのがうれしい。
菊地喬

菊地喬