漫画家志望の夫と発達障害の妻をそれぞれ落合モトキ、百田夏菜子が演じる。二人のやりとりは基本的に前向きで見ていて微笑ましく、可愛らしい。周囲の人間も理解者が多くて、我々が目指すべき社会のひとつだなあと思える。
知花の働く職場の店員がいささか悪者に描かれすぎというか、全く感情移入できないキャラクターになっていることが少し残念(過度な陰口とか)。あれこそ誰もが経験しうる立場で、自分ならどうする？をシミュレーションできる存在にしてほしかった。
「自分にとっては当たり前の仕事」をうまくやってくれなくて、それが原因で自分の労働時間や生活スタイルに影響を及される可能性が出てきたら。せめて知花のように人柄をこっちが詳しく知れていたらいいけど、実際に仕事で対峙するのは全然知らない人ばかりだ。
うーん、誰もが生きやすい社会をというのはもちろん分かっているし目指したいけれど、いざお金や信頼、生活が関わる場面だと「嫌な自分」が出てくるかもしれない、なんてことを思う。
誰かの良心にもたれかかるのではなく、制度面などを含め社会全体、みーんなで取り組んでいかなくてはいけない。店長が自分の生活だけを犠牲にするのではなく、周囲に助けを求めて、会社のルールを変えたように。
そういう意味ではこういった作品が「みんなで向き合う」きっかけになってくれればいいなと。
