ひよこ

今度生まれたらのひよこのネタバレレビュー・内容・結末

今度生まれたら(2022年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

松坂慶子演じる70歳のヒロインが私の人生これで良かったんだろうか?今度生まれたら、またこの選択をするのだろうか?を問う物語。
母に勧められた国立大には行かず、短大へ行き、エリートサラリーマンと結婚したが、夫が海外支社の社長就任目前で問題を起こし辞職。それから20年。私の人生、こんな筈じゃなかったと、人生のターニングポイントで違う選択をしていたらと考える。

まず、初デートで、一升酒が飲めるほどの女が、下戸の相手に付き合い、築地の高級マグロをリンゴジュースで流し込むという命懸けの苦行をやってのける回想シーン、思わず吹いてしまった。
命懸けって(笑)
確かに、私なら絶対そんな勿体無いこと出来ないし、そこまでして猫をかぶることもしない。

ただ、私の親世代なんかは、女が学をつけて何になる、女は気立がいいのが一番と教えられ、結婚して夫を支え、子を産み育てる良妻賢母が理想とされてきた時代だから、どんな相手と結婚するか?が人生を大きく左右するわけで、
狙った獲物を落とすためにあざとくなるのも必然なのかもしれない。
そういえば、昔、私が工業系の学校に進学が決まった時、近所のおばさんから、よかったねぇ、あの学校だったら就職率100%だし、一流企業で結婚相手を選び放題やねと言われたそうで、母がめちゃくちゃ怒ってたな。

ドラマの中で、色々あったけど、一番の衝撃は、やっぱりバンビ。
藤田弓子演じるヒロインの姉が突然夫に好きな女(あだ名がバンビ)ができたと離婚を突きつけられる。
平田満演じる義兄、まじか?と思っていたら、ジュディオングバンビが出てきたら、そりゃしゃあないわという説得力💦
元嫁からバンビへの旦那の引き継ぎのシーン、見てられなかったわ〜。
70過ぎてるし、浮気の心配なんてないわとたかを括ってるととんでもないことになりますという警鐘なのか。まるで、サタンのせいですねとか言って某宗教団体とかから目をつけられそうな感じだが、ヒロインの姉は、パッチワーク教室なんか開いて逞しく生きていたので良かった。

だけど、風間杜夫演じる下戸のエリート夫が、海外支社の社長就任目前のパーティー会場で飲めない酒を飲み、タクシーの運転手の頭を脱いだ靴でバシバシ叩くという暴挙の意味が分からず、腑に落ちなかった。

ツッコミどころは他に色々あるんだけど、久しぶりに内館牧子ワールドに浸れて楽しかった。
そういえば、70代の母が、自分が娘の私と同じくらいの歳ならば、私と同じ学校へ進学し、もっともっと勉強するのにな〜とか、私のこと(時代や環境)が羨ましいと、よく話していた。母は、きっと今度生まれたら、今の人生と同じ選択はしないのであろう。
私は、どんな70代になるのだろうか?できれば、今度生まれたら…を考えるような後悔の多い人生にはならないように生きていきたい。
ひよこ

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