ルーク大佐

ザ・ステアケース -偽りだらけの真実-のルーク大佐のレビュー・感想・評価

4.0
お気楽放蕩自己チュー夫と働き者のヒステリー妻。
ある夜、妻が階段で不審死。事故か事件か。検察は作家の夫による殺人事件と判断し、起訴、裁判となり真実は法廷に持ち込まれたが・・。

決定的な犯罪の証拠がないなか、世論を巻き込んで長い法廷闘争が始まる。実際の事件がベースとして8話構成でじっくり深堀りする。

コリン・ファースがボソボソしゃべる陰気な声とキョロキョロ落ち着かない挙動は耳障り目障りで8話も見ていると不快感すら覚える。彼が演じる夫のキャラに合わせているのだろうが、夫本人に共感を持つ人は少数派じゃないだろうか。とにかく横柄でコミュ障でわがまますぎる。再婚なため、連れ子がいるが、彼らも世間の目があり、大変だと思う。子どもたちが複雑な人生を過ごしているのがちょっと気の毒だ。

トニ・コレットはコリンとは別種のハスキーボイスなのだが、これもあまり耳に優しい声ではなかった。ヒステリー指数が高いのか、何かの拍子にすぐキレる。階段で絶命するシーンとアラフィフにもかかわらず、解剖台で素っ裸を晒す演技にはびっくりした。

夫婦そろってメンタル的にややこしいため、続けて一気見しているとしんどい面もあるが、二人の熱演によって最後まで緊張感が続く。

さて、4話で一区切りし、5話からはノンフィクション映画の撮影クルーの編集者として白髪のジュリエット・ビノシュが出てくる。本シリーズの第2部と言える。彼女は重要なキャラであり、5話から8話のファイナルエピソードまでドラマを引っ張っていく。この起用はハマっていた。彼女とコリンとの関係性によって、夫の性格やホンネが浮き彫りになる。うまい話運びだ。

ネトフリでノンフィクションが公開されているので機会があれば見るつもりだが、ドラマだけでおなか一杯かな。
モヤモヤする終わり方だが、真実はどうなのだろうか。見ごたえがあるドラマだった。
ルーク大佐

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