GGメーン

三体のGGメーンのレビュー・感想・評価

三体(2023年製作のドラマ)
4.2
SFの壮大な設定に物理学で向き合った作品。原作未読、物理知識ゼロの私でもおおまか理解できる作りだった。第一話から宇宙が持つ神秘さと恐怖感ががっつり伝わってきて、食いついて続けて観た。しかしあまりの壮大さにおなかが一杯になって一日に二、三話が限界。でかいスケールでありながら切り口は非常に社会的で、同じくNetflix制作の "Don't look up"を見たときのような、人類の愚かさが痛いぐらいに感じられる作品。ただこの作品では、その人類の愚かさが敵の脅威となり、本気で高度文明に反撃するという点が斬新で面白かった。


(以下、内容を含む)

視覚効果が視聴者の理解度を底上げしたと思う。原作では物理学的な設定が細かく描かれており、それがこの作品の人気の大きな理由の一つのようだが、今作ではそのような説明は比較的少なめで、映像化のアドバンテージが遺憾なく発揮されていたと思う。文系の私でも目で見て理解することができた。まさに百聞は一見に如かず。

キャラクターもそれぞれ個性がはっきりしていて分かりやすかったと思う。ウィルが決意したシーンは涙なしには見られなかった。ウェイドもすごく良いキャラで、覚悟が決まったじいちゃんには誰もかないません。このほかのキャラも各話で重点的に描かれるし、群像劇っぽい構成ではあるけど皆平均点を超えてこないような感じで、少し物足りなかった。

なるべく多くは語らず物理学的解説が省略されていたのは良かったが、その分疑問のまま進んでいくことも多かった。敵はあんなすごいことができるのにすぐに人類を滅亡させないのはなぜなのか、むしろ試しているようにも見える。序盤は刑事ミステリーっぽい感じだけど、特に推理や捜査もなく、謎解きのワクワク感もあまり感じられない。あと正直ゲームのパートはよくわからないのもあって長く感じた。

ここからシーズン2でどこまで話が広がっていくのかでシーズン1の評価もまた変わるかもしれない。続きが楽しみ。
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