凄かった、、、
観た後、どこにも力が入らないくらいでした。
ジリジリと崖っぷちに行ってラスト3話の緊迫感たるや。
潜入捜査ものなので、いつバレるのかってとこと撹乱策での絡み合いがすごい筆力の脚本でした。
演出もやはり韓国ノワール、妥協ない暴力描写。
血飛沫にまだ体温が残っているような生々しさでふてぶてしく鋭い目つきが狩りをする野生動物のような迫力。
情けが裏目に出る人間関係のバランスが緊張を極めていき、奥歯を擦り減らしました。
三角関係が四角になり、組のメンバーや取引相手、警察側とどんどん多角形になり角が尖っていくような。
あぁ、日常で最小限にしようと努めているストレスを浴びるためにこのドラマを開けてしまったか私は。このストレス大好きだな困ったもんだ。
ジュンモに接近する中国マフィアの娘へリョン(BIBI)、迫力と落ち着きを併せ持ち、冷酷さもありながら人を信じたいと思っている感じがかっこよすぎて。それにへリョンの側近アジョシとの関係がたまりませんでした。
キャストケミもすごくありましたね、江南連合のメンバー最高。
私はサングラスの殺し屋ソ課長の殺気が大好きで、もちろんチチャンウク俳優、見事な主演。
舞台が95年なのも効いてました。
やはり、私がノワール作に惹かれるのには「人間は正解のない世界に生きている」と明白に見せてくれるからなのだと思います。
情で繋いでいた仁義も崩壊する時がある、裏切り、猜疑心、騙し、傲り、負の部分に見えるところがその人の最も深い部分にリンクしていたり、優しさが残酷な時もある。
その中で最善を模索し、もがく人々の物語には倫理観を揺さぶる強さがあるのだと思うのです。
