tomiko

最悪の悪のtomikoのネタバレレビュー・内容・結末

最悪の悪(2023年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

こんな偶然が重なることはないけれど、重なったと思ってこのドラマに浸ってみると、ジョンモ、ギチョル、ウィジョンのそれぞれの立場が悲しい。

そもそもジョンモは、妻であるウィジョンの父や兄から会うたびに昇進を急かされなければこの任務は引き受けなかっただろうし、危険な立場にあるジョンモを心から心配したウィジョンがギチョルに近づけば近づくほど、ジョンモの心がウィジョンから離れていくのもやるせなかった。

前半は見ているこちらが少しハラハラするくらい、何となく落ち着かないジョンモだったけれど、物語が進むにつれて、もう警察官には戻れないのではないかと思うほど、狂気を感じさせるキャラクターに変わっていく所に凄みを感じた。彼の感じている恐怖や焦燥感、ヘリョンやギチョルに対する罪悪感、ギチョルとウィジョンへの嫉妬など色々な感情がごちゃ混ぜになって混乱している様子がとても伝わってきてこちらまで苦しくなった。
そんな中、彼が、賢くて強いヘリョンに惹かれたのはとても共感できた。愛するウィジョンの家族の存在はジョンモに知らず知らずのうちに負い目を感じさせていたけれど、ヘリョンの前では嘘をつかず自然体でいられたのではないかと思った。

ギチョルが求心力を失い、仲間に裏切られるまでの過程も丁寧に描かれていて、この様に人の心が離れていき、一つの組織が壊れていくのだと興味深かった。

育った環境も似ているギチョルとジョンモだけれども、もしかしたら逆の立場になっていた事もありえたのか、いや、どんな境遇でもやはりこの道を選んでいたのか。。と視聴後も色々考えてしまった。

ミング刑事、顔も見たくなくて、何度か早送り(笑)。
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