たかはた

作りたい女と食べたい女のたかはたのレビュー・感想・評価

作りたい女と食べたい女(2022年製作のドラマ)
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食べることについて考えていると、問題化すべきなのに問題化されていないことが多すぎて食傷気味になってあまり食べなくなり最近に至る(食べ物の値段が高いこともかなりあるが)。蛙亭中野がその化身となってくれた、食べることや作ることのジェンダー化もその一つである。インタビューで「食事シーンを性的に描かない」ことなどに留意したとあり、それそれ!となり、やっぱり生存のための器官であるものに性的な意味を付加してくる表現上の伝統みたいなやつキモいよなと思うなど(上手くやればとても豊かな表現なのだけどだいたい50番煎じみたいなとても観てられない)。ごはんドラマの先駆け孤独のグルメが言うところの「誰にも邪魔されず気を遣わずものを食べるという孤高の行為。この行為こそが現代人に平等に与えられた最高の癒し」となる日はいつ来るのだろう。
なんにも平等じゃない食の世界が少しだけ平等になるのがこの作品が描いている地点ですね。
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