Kaji

マスクガールのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

マスクガール(2023年製作のドラマ)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

パクチャヌククルーがけっこう参加してるとの前情報からずっと気になってたので、配信直後に一気見。

展開の予想がつかないし、平熱で異常事態が起こるタッチにフェミニズム的視点も濃厚に入っていて、満足度高い。

キモキモのアンジェホンも素晴らしかったし、グローリーからもまったく違うキャラクターを見事に消化していたヨムヘランも逸品級の演技。
3人のモミ、二人目のモミとチュネ、ミモとイェチュンで「テルマ&ルイーズ」「ゴーストワールド」などを彷彿とさせるシスターフッドもあり、中年女性と老婆の揉み合いという今までなかったアクションもあり、息子に固執する母親と娘を切り離しながらも捨てられない母親を世代に渡って描いていながら、ルッキズムや自己顕示欲の業も入る。

イェチュンが不幸に見せる嘘をミモの前でつきながら友情を深めるってちょっと角度のあるシスターフッド描写がなかなか良かった。

返って、尽く酷くカッコ悪い男達とのコントラストも鮮やかで、この人たちに救いはないのかと。
特にオナムは恋をしていたのに恋愛の始め方すらわかってないキモキモアダチルっぷりには愛おしさがあります。
彼にとっては中身の無い虚像としての女性しか知らなかったことが、悲劇を引き寄せたんですが人を拒絶してしまう人格形成の一因が母親なのに、その母親から狙われ続けるモミも気の毒だ。


 やはり韓ドラ映画は内面の敵について洞察が深くて、複雑な人間性をしっかりおもしろいドラマにする手腕が凄いです。
Kaji

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