あかの

100万回言えばよかったのあかののレビュー・感想・評価

100万回言えばよかった(2023年製作のドラマ)
3.2
死んだ恋人が幽霊に…といった単なる切ない恋愛ドラマだったとしたら観ていなかったと思うが、事件を追うミステリパートと、コメディを担う松山ケンイチの演技の巧さのお陰で、面白く観ることができた。
兎にも角にも松ケン演ずる魚住が魅力的。
唯、最終話は、私には蛇足でしかなかった。
元々ファンタジー要素の強い作品とは言え、幽霊なればこそ触れることも話すこともできず、そこに切なさやもどかしさがあったし、残す方や残される方それぞれの思い残しもあって、そのリアルな感情面に共感が持てた。大切な思い出を元に、行間や余白を埋めていく、本来残された側はそうやって前を向いていくしかなく、第9話の悠依の「皆、こんな感じで生きてく」に共感を覚えたのもそれ故なのに、実体化をして思い残しの消化をされてしまうと、感情面でもリアリティが消失をして完全にファンタジーになってしまう。
いっそ第9話で完結をしていればと残念でならない。
あかの

あかの