せんな

だが、情熱はあるのせんなのレビュー・感想・評価

だが、情熱はある(2023年製作のドラマ)
4.5

南海キャンディーズ山ちゃんと、オードリー若林。2人の軌跡。

「断っておくがこれは友情物語ではないし、サクセスストーリーでもない。そしてほとんどの人にとって、全く参考にならない。だが、情熱はある。」
毎回流れていたこのナレーション。ここにドラマの良さが詰まってる気がする。友情は時にはあるけど、基本孤独にもがいている。一般的に見てサクセスしたあとも、まだまだあがき続けてる。だけどそこに良さがある。

ダメなところもみっともないところもたくさんある。というかそういうところばかり描いている。全てを曝け出しているような物語。
彼らのみっともないところを遠慮なく笑える。不謹慎かもだけど、それがこのドラマの面白さの1つだと思う。ダメな彼らを見て、応援したくなる、というわけではない。ただ、2人の軌跡を見届けた、っていう感覚。

一方で、2人の心情に、わかる!って部分もある。どこか自分の中で抱えている、嫉妬とかの醜い感情。彼らはそれを剥き出しにしながら、むしろエネルギーに変えながら進んでいく。そんな2人に好感を持っていたところもあったのかも
もがきながらあがきながら進んでいく2人を見て、ちょっとだけ勇気をもらったり。

主演2人、そしてそれぞれの相方役の2人の演技力が凄まじい。誰もが本人を知っている今作において、役になりきるのって他の役よりも難しいんじゃないかと思うけど、話し方からたたずまいから、本人に徹底的に寄せたその姿に驚かされました。特に髙橋海人くん演じる若林さんのしゃべり方、そっくりすぎる…!

高校時代から物語が始まって、2人が出会うのは芸人として売れ始めてからのこと。だからドラマの大半で、山里パートと若林パートは別々に進んでいく。その中でも、両パート共通のテーマみたいなものを軸に話が進んでいってて、リンクした瞬間が気持ちよかった 展開にワクワクする!

山ちゃんのパートは最初から最後までほぼ一貫して孤独にのたうち回ってて、「器ちっさ!めんどくさっ!」と思い続けてたな
一方の若林さんパートは、もちろんめんどくさい部分は多いんだけど、ずっと隣に春日がいたことで、なんだかほっこりしてしまう めちゃくちゃ仲良いじゃないですかオードリー!
TVで見ているとあんなに破天荒に見える春日なのに、何があっても若林さんの隣にいて、ずーっとブレない姿を見ていると、いつの間にやら好きになってしまうのがなんか悔しかったです笑

毎週楽しんで見てたけど、良さを表現する上手い言葉が見つからない…とにかくとても見応えあるドラマでした。
せんな

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