JACK

パリピ孔明のJACKのレビュー・感想・評価

パリピ孔明(2023年製作のドラマ)
5.0
パリピ孔明 幾つもの救いに感謝を―

人が人を癒し、音楽を奏で、その音楽が人を癒す。その音は力強く、迷いはない。

孔明とオーナーのやり取り、その一挙手一投足全てがたまらなく愛おしい。ずっと見ていられる。時代も場所も生死の理さえも超えて出会った二人。そこにある愛に、笑いと涙を禁じ得ない。

EIKOの歌も、アニメ版のpowerfulでcheerfulな「太陽」のようなポジティブさを感じさせる歌声に比べて、ドラマ版はどこかネガティブな部分を底に秘めながらも、それは決して後向きな意味合いではなく、innocentでdecentな慎まさしさを感じさせる、まさに「月」のような歌声で、物語と月見英子というキャラへの造詣にさらなる深みや説得力を与えているように思う。

カバー曲の選曲も、なかなか選ばないような名曲揃い。

孔明とKABEのラップバトル、構図から映像、演出まで息をのむような上手さ。たとえば放課後、文化祭の終わりまで誰に見られるでもなくずっと二人でラップをしていた、燃えるような夕日の廊下、「本当に楽しかった」、そのことを言葉ではなく画だけで魅せる、まるで映画を観ているようだ。
それぞれの回想シーンで、必ずシネマスコープに切り替わるのも、オシャレだ。惹き込まれる。終始映像が良い。
オーナーの昔話も、泣けるじゃないか。
泣いて馬謖を斬ったんだよ。
オーナーの

ライブの感じも、本当にそこにいて目にしているような、そのような場面に、今自分は立ち会っているのだと、そう感じられる。
最後なんて、もう胸が一杯になってしまって、ただただ感動する。

BBラウンジみたいな場がある。
そんな場所に、皆集まりたいんだ。

東南の風が吹き、笹の葉を踊らせ、竹の歌を言祝ぎ、そして止む―

"I'm still alive today"
今日も生きてる!
JACK

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