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真夏のシンデレラのおぽぽのレビュー・感想・評価

真夏のシンデレラ(2023年製作のドラマ)
3.7
もうね、ドラマの内容についてはベタオブベタの連続。説明台詞とか若干ウザいし、あざとい決め台詞とか、都合のいい展開とか、いつの時代だよと思いつつも、それをツッコミ入れつつ楽しく見るのが正しい鑑賞方法。映画じゃないんだから。地上波の連ドラだから。

と言いつつ、そんなシナリオ、普通は見るのしんどい。初回30分拡大の残り30分がしんどくなって投げ出すパターンです。普通なら。

ところが、この作品に関しては、30分拡大された1話も、見られた。

それは出演者が上手いから。安心して見てられる。「うわあ、ヘッタクソやなあ」と思う演者さんはいない。

ヒロインの森七菜さんがとにかく規格外。
演技上手い下手とかじゃなくて、この人、全身で蒼井夏海になりにいってる。

特に、20〜40秒っていう、ストーリーの展開も早い作りの地上波のドラマでは長めのカット割りのシーンを、セリフを話さず表情や体の動きの表現で間を持たせられるの、いちいちすごい。「伝わる」とかじゃない。「刺さる」。マジで心を刺してくる。
彼女のくるくる変わる、そしていちいち的確で豊かな表情、表現を見るためだけにリアタイしたい、まである。
しかも、だからと言って映画やシリアスな作品みたいにそれが重くない。いい感じに作品を想定される枠よりちょっとだけ引き上げてる。

さすが、名のある映画監督と大きい役で仕事してるだけある。彼女はマジですごい。

これは、ヒロインの蒼井夏海=なっつんに会いに行くためのドラマです。そして、現実にはほぼあり得ないだろう都合の良い展開を笑い飛ばしながら、なっつんをドキドキキャーキャー言いながら見守るドラマです。

心を解放しましょう。
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