ヒムロ

世にも奇妙な物語'23 夏の特別編のヒムロのネタバレレビュー・内容・結末

2.8

このレビューはネタバレを含みます

・お姫様クラブ
団地で一人娘と夫と平凡な暮らしを送っている南美。
ある日娘の元へお姫様クラブの支配人が訪れ、南美もまた幼い頃のお姫様クラブの思い出と憧れを思い出す。
娘のためとお姫様クラブに通い始めるのだが…。

いい意味で世にもっぽい作品。
不条理な設定のように見えて、どこか実在しそうなお姫様クラブ。
貧困とお姫様からおばさんへと変わっていくギャップに苦しみ、現実逃避をしていく南美のキャラクターもあまりにも現代的ですぐ近くに居そう。
最後はやっぱりそういう方向性だよねって感じだが、いまいちそんな金のかかるパーティには見えなかったのが難点。

・小林家ワンダーランド
会社員として働く達也の元に父から連絡が来る。
実家に久々に帰るも、気持ちの離れている家族にどこか寂しさを覚える。
そんな中、父が自宅をテーマパークにすると言い出し始める。

これも世にもにありがちなギャグ回なのだが、オチがクソすぎた。
オチが見つからないからホラー系にしとけ的なメチャクチャ雑な発想が透けて見える。
再現性のないアトラクションで人気になっても意味ないのにああいう雑なオチに持っていくのは本当にガッカリ。


・視線
ネットで買った目薬を使ってから、道行く全ての人の視線が自分に集まってしまった杏奈。
しかし偶然にも同じ目薬を使っている琢磨と知り合い、不思議な目薬の効能で錯覚しているだけで実際には視線は集まってないことを知る。
杏奈は自分に無関心な母に視線を向けてもらうために目薬を使い始める。

今回の一番。
目線が集まり続けている絵が非常に強くて面白い。
それだけでも見応えが奇妙で面白い。
母との確執はそこまでなる事かねと思わなくもない設定だが、家の雰囲気や演じる2人の演技が非常に良くて親子のシーンとして面白い。
特に母親役の宮村優子さんの目線は魔力を感じる様な優しくも怖くもある不思議な目だった。
すごいいい演技だと思って調べたらエヴァの飛鳥の声優さんで納得。
そらすごいわ。
琢磨が依存するほど狂うのは正直意味がわからんが、まぁ必要な奴には必要なのか。
オチは正直読めていたが、それでも面白かったし久々に世にもの良作を見た気分。


・虹
カメラ越しにしか見えない少女・川上七海を見つけたことで運命的な出会いを果たす少年・南條拓也の生涯を描く。

10分ちょいの短編という世にも的にも短い感動系の話。
まぁ話は分かるけど特段感動はしなかった。
というかセリフほぼ無しでジャニーズを起用するのはファン的にもどうなのか。
やっぱりまだ暗い作風は世の中的に受け入れられないと思ってラストに配置したのだろうか。
世にもにそれは特に求めていないと思うのだが。
ヒムロ

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