まさかの交渉人？
主演を務めたイドリス･エルバの特徴は、
『刑事ジョン･ルーサー：フォールン･サン』のように荒っぽいやり方で犯人を追い詰めたり、『ビースト』ではライオンとガチの対決をしたり、何かと肉弾的な好戦性が強調されやすい存在。
しかし、本作は肉弾戦を一切封印し、交渉人のエキスパートとしてひたすらネゴシエーションに徹している。
既存のハイジャックものの定番を捻った展開が連発していく、新鮮で刺激的なアップデートが施されたジャンルの新時代作。
今のSNSはひとたび他者を不審に思ってしまうとそれが瞬く間に拡散していく。
検証を疎かにしてひたすらに曖昧な情報が飛び交ってしまうという集団パニックのシチュエーションはSNSでは頻繁に起きている。
政治的立場に関係なく人は容易にパニックを起こす。
我々もパニックを煽る側ではなく、交渉もしくはその手助けのような形で、着陸させる側の存在になりたい。
