おりん

何曜日に生まれたののおりんのレビュー・感想・評価

何曜日に生まれたの(2023年製作のドラマ)
3.6
最初はだいぶ胸糞悪さが目立ってあまりハマれていませんでしたが、すいと同級生の過去が繋がり始めた辺りから肩上がりに面白くなったと思います。これはあくまで自分の解釈だけど、人間(特にすい)の成長物語であり、家族や同級生など人との繋がりの話なのだなと。

人間って光の部分もあれば闇の部分もあり、その闇の部分を野島さんはくどく表現していたな(褒めてる)。表面だけの繋がりだけじゃ分からない「闇」の部分を毒々しく表していて、苦しくなった。

でも、このドラマ「闇」だけじゃなくて「光」の部分も描いてましたね。すいが過去のトラウマを経て真っ直ぐ人と向き合う姿、同級生が過去の葛藤や衝突を経てすいに寄り添っていく姿、蕾(アガサ)がすいから生きる希望を貰う姿…。自他に対して素直に向き合うこと、過去の葛藤や心の傷を癒すこと、これらが人間が生きるための「光」だと思いました。

人間の本質の描き方(特に序盤)、トラウマの乗り越え方に疑問を感じる部分はありましたが、現在と過去が交差する演出・景色の映し方・内に秘めた感情の描き方が好きです。色んな経験を経て成長したり人の縁を繋いだり1歩進んだり。曇り空から光が差すように希望が見えるドラマでした。
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