あんぶれら

セバスチャン・フィツェックの治療島のあんぶれらのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

むっちゃネタバレ



代理ミュンヒハウゼンは母親に多いというイメージだったが、愛着障害や母親に関するトラウマを抱えた父親がその症状を発症した。
彼が自分の人生に意味を見出していなかったのも、彼の心が子供のままとまってしまっていたからだろう。
反抗期を迎えた娘の年齢と母親が死んだ当時の彼の年齢は近いんじゃないだろうか。と思ってみたり。それもトリガーかもしれない。

毒を盛った行為や記憶に関する認知に歪みがあったあたりは別の症状も考えられるが、娘の死を目の当たりにしたときに防御反応(娘を病院に連れて行く)が出ていたのは、母親の死のトラウマから自分を守るためなのだろう。
割と筋が通っていて好きだった。

彼は島から帰って来れるのだろうか。
でも、帰ってこいと彼に言える人間は、娘以外もうだれも残っていないだろう。

主人公が害である可能性は割と序盤で勘付くので、びっくりどんでん返し!はないが、映像美と脚本の美しさと仄暗さに浸る価値はある。
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