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自転しながら公転するのmofaのレビュー・感想・評価

自転しながら公転する(2023年製作のドラマ)
3.0
原作ファンとしては、どうしても、評価が厳しくなってしまうんですけど。

正直、この作品を40分×3くらいの尺で、
納得いくまで描けというのは、
無理がある!!!
・・・とハナっから思っていたので、
まぁ、こんなモンかな・・・と。
原作の方がより、
共感度が高いような気がする。

でも、主演2人も良かったし、
人物像としては、原作に近かったし、
短い尺の中でも、お年頃女性の苦悩や、
葛藤や、ズルい所や、
計算高いどころが描かれていて、
良かったと思う。

 とても魅力的だけど、
中卒で、無職・・・となると悩むよね。
 原作では、もっと踏み込んでいて、
一人娘で、親を一人で今後支えていくのは、
不安で仕方なく、
妥協してでも貫一と結婚すべきか・・・
と悩んだりするんだよね。
 
ドラマは最終的な着地の心情が
曖昧なんだけど、
原作は、なかなかのラストを
用意してくれてます。

 ドラマの季節様の寿司職人姿も
おススメですが、
最終的に、
「原作是非読んで!!」という
感想になってしまいます(笑)

なんか、ドラマの感想書けば書くほど、
原作はココが~と、
そっちの話になってしまう。

 藤原季節さんは、
存在感抜群で、とても魅力的な
役者さんだと改めて思いました。
 ブレないようでいて、
隠されている劣等感や、
自己肯定感の低さ。
これ以上傷つけられたくないから、
張られた予防線。
 そんな貫一を、
見事に演じていたと思います。

「自転しながら公転する」
自分の仕事や生活、親の介護・・・
それら全部をやりこなせない~と
愚痴るおみやに、
貫一が説明します。
 私はこのタイトルが好きで、
自分自身も回り続けながら、
社会という場所を
回り続けなくてはならない・・
そんな風に捉えています。
 あっちもこっちも~!!
悩みが尽きない!!
とパニックになることもあるけど、
「自転と公転」という壮大な言葉は、
不思議なもので、
同時に、宇宙から見れば、ちっぽけだ・・・という
気持ちにもさせてくれます。
 色々物事が起こっても、
「私は、今自転しながら公転してるけど、
大した事じゃないわ」と
思わせてくれるのです。

そして、
気に入った言葉は・・・・。
原作での言葉がしっかり、ドラマでも。
ただ、母親のエピソードが少ないから、
ちょっと唐突な感じはしたけど。
良い言葉です。

「何かに拘れば拘るほど、
人は心が狭くなっていく。
幸せに拘れば拘るほど
人は寛容さを失っていく」

(幸せになろうとする人は、
不幸を許せない。
少しくらい、不幸でいい)

物事に執着する気質のある私は、
こういう言葉が本当に、好きです。
 固執しても、自分を苦しめるだけ。
手放していいんだよ・・・・
と言われてるようなんですよね。

・・・という事で。
ドラマよりも、原作がおススメ!!
ドラマの季節様も観て欲しい!
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