ルーク大佐

少年は世界をのみこむのルーク大佐のレビュー・感想・評価

少年は世界をのみこむ(2024年製作のドラマ)
4.2
不遇な環境に育った兄弟の成長と闘いをバイオレンスとハートウォーミングで描く傑作サスペンスだ。役者ばかジョエル・エドガートン制作の熱意が伝わってくるようなアツアツのストーリー。

まず13、15歳の弟イーライと兄ガスが好演だった。
好奇心の塊のような無鉄砲な弟と寡黙な預言者たる兄の演技が実にみずみずしい。弟はかわいいし、ずっと見てられる。

かつて『メンタリスト』で一世風靡したサイモン・ベイカーは加齢に勝てなかったのだろう。あの軽妙でシリアスな演技にはずいぶん感動させられたが、本作では二枚目役を捨てアル中のロクデナシ親父を演じている。

ほとんど当時の面影はないものの、ダメ男がどう再生していけるのかを情感たっぷりに演じていた。メンタリストを見返したくなる。クールなサイモンを見たかったかな。

少年の成長譚を描く映画やドラマは多々あれど、NYや欧州の大都市ではなくブリスベンが舞台なだけに、とてもユニークな作品に感じた。あまり見たことがないような印象だった。

地味目なタイトルだが、役者の演技は秀逸だし、ところどころに意味深いセリフを配置し、ちゃんとバイオレンスな見せ場はある。
イッキ見必至の良作ドラマだ。
ルーク大佐

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