あきこ

長相思(原題)シーズン1のあきこのレビュー・感想・評価

長相思(原題)シーズン1(2023年製作のドラマ)
5.0
壇健次のためにあったようなドラマ。
この小説は以前読んだことがあったので知ってたのですが、相柳という役を壇健次が演じたことによって、相柳のキャラクターの思いや考えが明確に表現されて、その深い愛の表現にはただただ溜息が出てしまうほどだった。主人公でもなく準主でもない相柳だけど、多分このドラマの中で誰よりも作品に入り込んでいたのは壇健次だと思う。それほどに相柳という役を際立たせていた。
もし相柳ではなく、主人公や準主をもっと視聴者に愛させたかったのであれば、あれほど上手く、あれほど深く、壇健次に相柳という役を演じさせるべきではなかったのではないか、と思うほど。
そして、壇健次演じる相柳の愛は、表現するという演技の分野において新しい基準を確立し、他の愛の表現を取るに足らないものにしてしまうほどのインパクトがあった。

主演の楊紫がインタビューで、4人いる恋愛対象について、もし無人島で一生暮らさなきゃならなくなって、一人だけ連れて行けるなら誰を連れて行く?と聞かれ、相柳だと答えていたのがすべての答えな気がする。

妹として兄を慕う愛、母親が息子を想う愛、女として異性に抱く愛、があるとして、相柳は小夭にとって紛れもなく異性であるが、悲しいかな小夭はそれに気付かないし、相柳も気づかせたくない。...胸が痛くなりすぎるドラマ。小説を読んでいるだけに、この後の第二シーズンを見たら多分、胸が張り裂けてしまう気がする。
あきこ

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