韓国警察の特攻隊に所属するイ・ドンシク（チョン・ホジン）たちは、ある日、ホテルで起きた人質事件に出動。
しかし、犯人たちは突入前に全員撃ち合いで死亡し、人質のチョン・ダンビ（キム・ユミ）だけが生き残っていた。
ドンシクはその状況に疑問を持ち、大学生の弟・ドンハ（キム・ソックン）にホテルの監視カメラの映像を分析してもらう。
ところが、ドンハの不在時、ドンシクは大学内で射殺され、解析結果のデータも破壊されてしまう。
ドンハ、そして元特攻隊員であるユ・ガンジュ（イ・ジョンウォン）は、ドンシクの仇討ちのため、特攻隊への復帰を決意。選抜訓練に挑んでいく…。

韓国警察の特殊部隊KNP-SWAT（現KNP-SOU）こと警察特攻隊の活躍を描いたSBSの連続ドラマ。
ちょうど名作「シュリ」の大ヒットで、KNP-SWATに注目が集まっていた時期に製作・放映されていた作品である。
製作にあたっては、実際のKNP-SWATが撮影協力。俳優陣が本職の隊員たちと共に訓練を経験し、訓練施設や装甲車やヘリなどの装備が惜しげもなく登場。
放送終了後は、何と撮影に協力した本職隊員たちがSBS特別賞を受賞しているという。

そんな気合を入れて作られたであろう本作。
自分がレンタルDVDで全話視聴したのはもう6，7年も前になるが…。
率直に言うと、色々と惜しかった気がする。
何が惜しかったかというと、ストーリーに穴が多かったこと。
警察の情報がテロ組織に筒抜けになっている原因が描かれなかったりとか、チョン・ダンビの過去（父親が警察の銃撃に巻き込まれて植物状態になってしまったと、どこかのサイトに書いてあったような）が本編では全然触れられなかったり、極めつけは最終話でテロ組織が核ミサイル攻撃を企てるというトンデモ展開になること。
まぁ何というか、テロ組織の描き方がいい加減というか不十分に思える。
役者さんたちの演技や特攻隊の訓練シーンや銃撃戦なんかは見応えあるだけに本当に残念。
とはいえ、KNP-SWATを主題にした初のドラマ、それも本職さんたちが全面協力という点では、決して存在意義は小さくない…かもしれない。
今の時代にリメイクしたらいい感じに仕上がるんじゃないだろうか…と思ってしまうのは自分だけか？

ちなみに、この作品で知った韓国の俳優さんも結構いる。
例えば主人公の一人ドンハ役キム・ソックン。
後に映画「TUBE」で、ギテク（パク・サンミン）一味と戦う刑事を演じているけど、おそらく本作での経験が生かされたことだと思う。
個人的に誰よりもインパクトに残ったキャストは、テロ組織の殺し屋パク・テヒョンを演じたイ・ドックァ。
日本ではドラマ「第5共和国」の全斗煥役で有名？だけど、本作では「元日本赤軍の教官で、自衛隊にマークされるほどの危険人物」という衝撃的設定の役柄。
韓国ドラマで「自衛隊」が名称だけでも出てきたという点で凄い印象に残ったｗ