ある晩、墓守の多助が何者かに殺される事件が発生。多助は死の直前、実の娘である尼僧・春光尼に小さな仏像を預けていたが、その中には十三箇所に赤い丸が印された江戸の地図が隠されていた……。実は多助は、金で恨みを晴らす裏稼業・橋掛人の元締だったのだ。

多助が遺した地図に「浅」の文字が浮かび上がり、橋掛人たちは印の場所＝佃島を探ることに。その頃佃島では、その年の初物が将軍家に献上されるまでは禁漁とされる御止魚・鯛を釣った漁師が斬り殺されていた。新吉は、若い漁師・浅吉と親しくなるが……。

お光が選んだ今回の仕事の場所は、神田春日坂。ここは若い女の幽霊が出ることから「幽霊坂」と呼ばれており、様子を見に行ったおくらと松も地蔵に手を合わせる女の姿を目撃してしまう。噂では、十年前の小間物屋殺しの下手人・お藤が幽霊の正体らしいが……。

今回の仕事の場所・小伝馬町の牢屋敷では、どうやら囚人たちが次々と殺されているらしい。一方江戸では押し込み強盗が相次いでいたが、その殺しの手口は柳次の技に瓜二つだという。しかし柳次にこの技を仕込んでくれた元締は、数年前に死んだはずだが……。

橋掛人たちは、地図に浮かび上がった「六本木の朝顔」を探ることに。早速六本木へ向かった新吉は、入水自殺しようとした若い娘・お菊を助けることに。一方、華道井泉流宗家の家元・お蔦に呉服を届けに行った柳次は、井泉流にもう一つ家元があることを知る。

今回の仕事は本所に決まり、柳次たちは「清」の文字を手掛かりに探索を開始。そんな中、お光は幼馴染のお久と再会する。お久は娘のおきくを、女子に行儀作法や学問を教えることで評判の高い姉小路塾に通わせていた。柳次らはこの塾が怪しいと睨むのだが……。

次の仕事で湯島天神を調べることに決まった帰り道、夜鷹の取り締まりに遭遇した新吉は逃げ遅れた女・麻乃を助けた。彼女は元大店の娘であったが、十年前に強盗・天馬の寅一味に両親を殺され、夜鷹にまで堕ちたという。しかし天馬の寅は、その後消息不明であった。

柳次は同じ担ぎ呉服の同業者・仁平の保証人になったばかりに、彼の作った借金を背負う破目に。慌てて仁平を捜す柳次だが、高利貸の銭屋弥五郎も彼を捜していた。そんな中、お光は次の仕事の場所を浅草に決め、地図に浮かんだドクロを手掛かりに調査を始める。

今回の手掛かりは、地図の柴又帝釈天の場所に浮かんだ「虎」の文字。噂では、かつて柴又を取り仕切っていた香具師の親分・虎は一年前に亡くなり、今は娘婿の政五郎が幅を利かせているようだ。しかし柳次の調べでは、どうやら虎はどこかで生きているらしい。

次の仕事の場所は日本橋に決まり、橋掛人たちは「地獄」という言葉を手掛かりに探索を開始。その頃、京・大坂・江戸に店を構える近江屋では、番頭が次々と変死する事件が発生。そんな中、上方では知られた黒獅子の元締の娘・おきぬが多助を訪ねて来るが……。

ある日「板橋のさよ」と名乗る女が多助の家を訪れたが、お光に頼み料を渡した直後に追っ手の男たちに捕えられてしまった。さよの身を案じたお光はすぐに指示を出し、柳次たちは取り急ぎ板橋へ向かうことに。ところが、噂ではひと月も前にさよは死んだという。

四谷・仁法寺の僧たちは、実は忍びの奥義を極めた忍者集団であった。次の仕事の場所が四谷だと知った柳次は、ひとまず昔の橋掛人仲間・亀吉に仁法寺の探索を頼むことに。しかし亀吉が殺されたのを知ると、柳次はこの仕事から手を引くよう新吉らに忠告する。

最後の仕事の場所は、江戸城。手掛かりは、最近将軍の御落胤を拝領した高澤藩の紋所であった。頼み料が高澤藩の藩札で千両と知って、柳次たちは気合十分。しかしその直後、柳次は子連れの浪人・日下部伊織が高澤藩士数名を一瞬の内に斬り捨てる現場を目撃する。