ある日、神社の境内で男の死体が発見され、その懐には建物の図面のような紙切れがあった。 早々と捜査に乗り出す平次。平次の同僚の岡っ引き・万七は、単なる物取りの犯行だろうと早合点するが、平次は強い不信感を抱いていた。 南町奉行所の筆頭与力・笹野新三郎によると、裏で大きな陰謀がめぐらされている疑いがあり、奉行所も事態を重く見ているという。笹野は、平次の優れた着眼点を信じ、この事件への協力を依頼する。 同じころ、ちまたでうわさの旅一座が江戸に。看板女芸人のつばめが歌う歌とパフォーマンスが評判を呼んでいた。 この日は、平次と八五郎、平次と懇意のお静も一座を見に行き、その芸に魅了される。 しかし、平次は「つばめの目は寂しい」とつぶやく。 ある日、瓦版でつばめと座員との熱愛が報じられる。人気者の醜聞に、江戸の人々は騒然、一座内でも「誰が情報を漏らしたか」という不穏な空気が流れる。 やがて、二つの事件が複雑に絡み合い、更なる殺人事件が…。 ―――「江戸で評判の大親分・銭形平次」の誕生を決定付けた、謎が謎を呼ぶ大事件!