このレビューはネタバレを含みます
施設長役三上博史が訴えた超長いセリフ、今でも心に残っている。
当時は正直泣いた。今だって胸に沁みる。
『あなたたちは、あの人のことを知らないんだって一人ひとり目を見て伝えようと、そう戦おうとなぜ思わない?
臭いものに蓋をして自分とは関係ない、それで終わらせるつもりか?
大人ならわかる。大人の中には価値観が固定され、自分が受け入れられないものをすべて否定し、自分が正しいと声を荒げて攻撃してくる者もいる。
それは胸にクッションを持たないからだ。
わかるか、そんな大人になったらお終いだぞ。話し合いすらできないモンスターになる。
だがお前たちは子どもだ。まだ間に合うんだ。
一度心に受け止めるクッションを、情緒を、もちなさい。
この世界には残念だが目を背けたくなるようなひどい事件や、つらい出来事が実際に起こる。
だがそれを、自分とは関係ない、関わりたくないと、シャッターを閉めてはいけない。
歯を食しばって一度心に受け止め、何が酷いのか、なにが悲しいのか、なぜこんなことになってしまうのか。そう考えることが必要なんだ。…
…つまらん偽善者になるな。つまらん大人になるな。つまらん人間になるな。
お前たちがつらい境遇にあるというのなら、その分、人の痛みがわかるんじゃないのか?寂しいとき、そばに寄り添ってほしい。自分がそうしてほしいことをなぜしようとしない?』