1840年、ぜい弱な日本の船が、おびただしい数の漂流者を生み出していた頃。土佐の貧しい少年だった万次郎は、母と離れ、先輩漁師と初めての遠洋漁へ出る。それは彼の運命を変える旅の始まりだった―。 生きるか死ぬかの格闘の末に、万次郎たちはアメリカの捕鯨船「ジョン・ハウランド号」に救出される。初めて触れる英語、荒々しい異国の船乗りたち、富を生む捕鯨の仕事。万次郎は好奇心を膨らませる。鎖国の国に万が一帰れたとしても死罪かもしれない。ならば、生きて、もっと何かを知りたい。そうして、ホイットフィールド船長の誘いを受けて、アメリカへ単身渡る決意をする。 産業革命真っただ中のアメリカ。船長の支援で学校に通い、友情に、恋に、青春を駆け抜ける万次郎。人種差別に遭いながらも、腕があれば認められる世界を知っていく。そして彼は、皆が認める船乗りへ―。 しかし、次第に耳に入る日本の悪評。自分が生きている意味は何かを考え、万次郎は再び決意する。 「帰ろう」。母に再会するために、自分の人生をひらいた“知と技”を日本に伝えるために。 いつか船長に恩を返すと心に決めて、万次郎は荒波だらけの人生の冒険を突き進んで行く―。
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