なおき

デアデビル シーズン2のなおきのレビュー・感想・評価

デアデビル シーズン2(2016年製作のドラマ)
3.4
タイトルが『デアデビル』となっているけど、実質的には『パニッシャー』シーズン0となっている本作。
一体どうしてこうなった。


前半は、犯罪者だらけで混迷を極める街に必殺処刑人パニッシャーが現れ、不殺主義のデアデビルと自警の価値観の相違による争いがドラマを盛り立てて、かなり面白い。
悪人は根絶やしにする悪即斬な斎藤一イズム(『るろうに剣心』)のパニッシャーが無骨な魅力が凄まじく、演じているジョン・バーンサルもかつての『パニッシャー』映画版でのドルフ・ラングレンやトーマス・ジェーンやレイ・スティーブンソンをも凌ぐはまりっぷり。
『ウォーキング・デッド』でのシェーン以上にチンピラ感が増してるもんね。


ただ、後半のヤミノテ篇からが急展開。『デアデビル』映画版にも出てきた元恋人エレクトラが登場してからは、デアデビルさん、だらしなくなる。
エレクトラとの仕事やイチャイチャ、ナイトヒーロー稼業に弁護士仕事とハードスケジュールを強いられ、あろうことか、裁判にも穴を開け、相棒弁護士フォギーにも怒られる。
このあたり、『arrow』に通じるものがあるな。
ちなみに映画版だと、一般人の悲鳴を無視してエレクトラとの情事を優先するヒーロー失格な場面もあります。


そんなだらしないデアデビルさんに立ちはだかるのが、実は現代ニューヨークを陰で支配している存在だったニンジャ集団ヤミノテで、原作が原作だから仕方ないけど、それまでは地道で地に足ついたリアリティーのあるヒーローモノだったのに、いきなりB級アクション映画と化すので、違和感でいっぱい。
いつから、このドラマ、『ウルヴァリンSAMURAI』になりましたか?


予算も前シーズンより増え、階段での長回しの格闘戦やパニッシャーやノブとの戦いなど、アクション面ではパワーアップしているものの、違うそうじゃない感がいっぱい。
まあ、それでも、B級アクション映画的な意味でも面白いほうだと思うが、ラスボスがお前かよ!と思えるくらい存在感の弱い奴で、まさに役不足(誤用だけど、この言葉がふさわしい)だ。
なおき

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