このレビューはネタバレを含みます
このドラマは英国の風景が映し出され、今にもその場所の空気を感じて香りがしてきそうなのがいい。何も無いローリングヒルに車が一台が走って行き、その道の先には暗くて低い雲が待ち構えるとかね。街中のパブの喧騒にストーリーに絡んできそうな怪しい映し方の男女が囁いてるとか。低所得者向けの無機質な高層住宅のショットに続いて、それとは対象的な車寄せや薔薇のアーチが出迎える閑静な戸建て住宅。すべてが計算されて映し出される。ダムのタービンでさえその性能美が綺麗に見える。
犯人はいつも犠牲者のすぐそばにいる人で、登場人物たち全員が犯人に見えてくるパターン。合理的な筋道でグイグイ迫ってきて、効果音もBGMもてんこ盛りのハリウッドの刑事ものを見慣れてると、こちらは視聴者の感性に委ねられ部分が多く、落ち着いて見られる。
捜査のやり方はけっこうアナログだし、人情味あり過ぎて時々現実離れしてるように思える。でも、主人公の強引さとそれをくさることなく受け止める周りのキャラの雰囲気が良くて相殺されるww
延々と長い時間かけて犯人探しして行き着いた結末、犯人が犯す犯罪の動機付けが薄く感じることが何度かあった。文化や考え方が違うせいか犯罪に発展してしまうことへの辻褄合わせが、若干物足りない時がある。
