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結婚できない男のcaptkyのレビュー・感想・評価

結婚できない男(2006年製作のドラマ)
4.0
阿部寛演じる主人公・桑野の「偏屈」すぎるキャラを非難を抱きつつも共感してしまう、エロじゃない方の大人のラブコメディ

生姜おろし、キッチン掃除、手巻き寿司、食器洗い等、いちいち丁寧なのが笑えます。一方で姿勢の悪い歩き方や常に行き場に困ってる手先などの仕草から彼の不器用さが伝わってくる。

自分の寂しさを慰めるために幸せな人をバカにしていないと気が済まない人間の悲しさ…耳が痛いですね

バカにしつつも気になるネタキャラ・金田にも心の底では羨望を抱いてるのが微笑ましい。ボウリングの練習が女のためだったと知って感心し、最後にはつくる家を褒められて好感度が上がる。こういう関係性の変化はドラマならではでおもしろい。

「錆びても腐るより」とか「都合の良い女」とかギリギリアウトなセリフがバンバン飛び出てくるのに「なぜか怒る気にならない」不思議。
コミュニティの中で否が応でも顔を合わせているといがみ合いながらも付き合いが続いていく。医者と患者、隣人、職場の仲間などの設定で上手く距離感を作ってます。単純接触効果恐ろしい。ラブコメの基本ですね
お化け屋敷ストーカー回が顕著ですが、「そういう奴と」して低評価を受けてる人間はちょっと良いことしただけで好印象(捨て猫不良理論)でずるいなぁ笑
イケメン高身長で仕事も出来るから仕方ない。

派手な事件もなく変わらないご近所の日常コメディですが、そこで繰り広げられる「会話のドッジボール」に毎回笑ってしまいます。

個人的には、みちるちゃん(国仲涼子)が無自覚に放つ早坂先生(夏川結衣)への毒とそれに対して怒りを必死に鎮めるリアクションがハイライト。

花火の回がラスト双眼鏡の演出も込みで好き。

観た後で続編やると知りました。当時とは結婚観も庶民感覚も変わっている現代でどう描くのか、年齢設定は?など気になる点もあり、観てみたい
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