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メディア王~華麗なる一族~ シーズン4のakのレビュー・感想・評価

5.0
終わってしまった。これから何を楽しみにしたら良いんでしょう…。文句なしのフィナーレ。素晴らしいシーズン。こんなにアベレージ高くて大丈夫?と変な心配しちゃうくらい、毎話すごかった。今年の映像作品では今のところ一番。

Peak TVの一つの到達点。圧倒的な会話劇。脚本と俳優の力で魅せるTVシリーズならでは作品。S1の頃は金持ち風刺ドラマ味が強めだったけど、このファイナルシーズンは今風に言えば社会や世代の分断をしっかり捉えながら、没落して行く帝国を描き、そんな終末感の強い世界の中で言葉で斬りつけ合う人たち。変わらずブラックなコメディではあるけど、それ以上だった。グロテスクだけどリアルで、無様で滑稽だけど何だか共感してしまう。こんな様はそう見たことない。

そして家族なんですよ。やはりあの3兄妹は素晴らしい(コナーごめんよ)。素晴らしく全員クソ。繰り返し見せつけられる絆と、兄妹だからこそ譲れない感じの、行ったり来たりが醜くも良い。家族じゃなきゃ斬り込めない間合いみたいのが辛い。かなりダメージ食らう。それが凝縮した最終話は圧巻。4シーズンかけての帰結が俺たち全員クソ、最高でした。

ケンダルもシヴ(トムとの夫婦模様もしんどかった)も相変わらず素晴らしかったけど、今シーズンはキーラン・カルキンとマシュー・マクファディンの好演がすごく光っていたように思う。というか、役者陣の演技は皆素晴らしかった。そしてそれを支えた脚本にも敬意を表したい。

ニコラス・ブリテルの音楽は彼のベストワークの一つだろうと思う。ドラマの雰囲気を間違いなくコントロールしていた。

あと、しつこいけどタイトルは「Succession(サクセッション)」で良い。特に今シーズンは、まさにSuccessionについての話だったんだから。
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