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ブレイキング・バッド ファイナル・シーズンのgeminidoorsのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

やっとこさ観終えた。
我が身が山仕事だ畑だ創作だと多忙な上に、色々とマァ重なる時は重なるもんで💦一日一話も観れん日もあったが、どうにか観終える事が出来て嬉しい。
で、うーむ…一言っ、寂しいナ!寂しいぞ!
終わっちゃったか… 寂しいぞ〜〜😱
世間から大きくズレてこの秋後半に夫婦でハマりまくってたが、こんなにカミさんが"今夜は観ないの?"って尋ねてくる(誘ってくる❤️)作品も過去無かった事は確かだ。ピーキーブラインダーズ以来、否以上だ。



ホワイト先生はどんどん×2黒く×2成り。
ピンクマンはピンク=灰色のまま、後前も右左もどっちつかずの弱さを抱えたまま揺れ惑い苦しむ。どうにか持ち直し、又再び急下降で苦しむ。なのによくぞここ迄生き抜いて来たもんだと感心。
で、最終局に彼だけが脱出する訳だもんね。

脱出したのは、地底に掘られた檻や繋がれた鎖からではナイんだよね。
やはり暗闇、言うなれば"バッドな世界"から抜け出す一歩なんだよね。
結局、先生の息の音を自ら銃で仕止める事はなく、独り限界寸前で脱出したんだ。
最後の二人向き合う場面、ジェシーは引き金を引いたら、より深く二度と抜け出せない闇に堕ちてしまっただろうし。

ウォルターがトッド達が築いたラボで、命尽きる直前に機械器具を触り愛でながら、独り笑みを浮かべる。静かで強さの感じられる満足そうな笑みだ。
彼は本当にラボで実際に作業する事が好きだったのだね…その時だけ"生きている"と、実感(=躍動感)が強かったのだろうネ…
癌で自らの死を強く強く意識したからこそ、その対局として、ラボ内でのメス作りでの作業に取り憑かれた訳だな。心身共に"生きている"必要不可欠な作業だったのだろうネ。

うーむ…最後そう来たか〜って、多少畳み掛け端折り加減が個人的にはついてゆくのがやっとだったが、いやはやあっぱれな展開でした。
話の振り幅の落差&予定調和からの裏切り&キャラ全員の魅力…こんなにコチラの読みが交わされて、毎話を楽しませてもらえたドラマはなかなか無いョ!



メスの色はブルー。
帝国を築こうとしたウォルター・ホワイトも、あんな凄い場面で義弟ハンクに"お前はそんなに頭がいいのに未だ判らないのか⁉︎"と諭される。実に命をかけての訴えだ"目を覚ませ"と。
だからウォルターも、最後まで真っ黒くは成りきれない未熟者
つまりはブルーに感じたし。
ジェシー・ピンクマンはずっとブルー。

二人のブルーは青は青でも違うトーンだけど…至極強くて弱いニンゲン的な匂いがする。エゴも、弱さも、純粋さも。
だから世界中の視聴者が魅力を感じたのだろうと思う。

最終局ピンクマンはカウチンセーターを着ている。真っ白なセーターを。
新たな旅立ちに用意された車は、古びているががっしりした4WD、色はセルリアンブルーだ。
どこまでも続くかの一本の林道。
空は真っ青だ。



カミさんに、続編映画"エルカミーノ"をもう一度観ようか?と尋ねてみたら
"当たり前でしょー!"と来たもんだ(笑)
どうやら、この世の中に"当たり前"な事があるらしい…

ぐっどばい、ウォルター・ホワイト先生。
そして、生徒ジェシー・ピンクマンよ。
君の道程は、もう一度見届けさせてもらうぜ。
忘れられないドラマをありがとうっ!
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