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金曜日の恋人たちへのnorisのレビュー・感想・評価

金曜日の恋人たちへ(2000年製作のドラマ)
3.0
藤原紀香が片岡愛之助夫人だということを今知ったのだが、1999年に初主演した学園物の夏ドラ「ナオミ」が水曜劇場、トヨエツと共演したサスペンス秋ドラ「危険な関係」が木曜劇場、そして本作が2000年の冬ドラで金曜ドラマというわけで、当時29歳の藤原はまさに出づっぱりだったのだが、とてもそうは思えない演技が香ばしい。

脚本の中山乃莉子という人はあの「もう誰も愛さない」というジェットコースタードラマを書いた人だが、その後は昼ドラ専門みたいになってしまった(ジェットコースター専門ということか)。

第1話の筋は、商社の食品事業部が解散になり、総合職営業の藤原が一般職秘書課に転身するというもの。仕事にしか興味がなく、パンパンに膨らませたシステム手帳を抱えて営業先を走り回っていた藤原は、一般職を格落ちと受け取り、「デューダ」を片手に転職活動を始めるのだが、どの会社も藤原の(モデル)体型にしか興味を示さないので憤慨することになる。しかし高橋克典演じる警備員に諭されてなぜか急に前向きになり、古谷一行演じる常務付きの秘書になることをあっさり承諾するところで次回に続く。

当時の背景としては、86年に成立した均等法が97年に改正され、女性活用(昇進)が焦点になっていたが、実態は進まず、あるいは逆に業務がモーレツ化して育児負担との矛盾が広がっていた。本作はトレンディドラマ崩壊後の世界である。
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